概要情報
事件名 |
大阪豊島 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和51年(不)第17号
大阪地労委 昭和51年(不)第112号
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申立人 |
総評全国一般大阪地連大阪豊島労働組合 |
被申立人 |
大阪豊島 株式会社 |
命令年月日 |
昭和53年12月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
就業時間内組合活動に関する協定を一方的に破棄通告し、その後における時間内組合活動を理由に委員長ら3名を3日間の出勤停止処分に付したこと、欠員補充の問題に関する団交申入れに対し、会社の専権事項であることを理由に拒否したこと、組織改革に伴う人事で非組合員4名のみ主任に昇格させ、委員長を昇格させなかったことが争われた事件で、協定の破棄通告がなかったものとしての取扱い、委員長ら3名の出勤停止処分がなかったものとしての取扱い、賃金カット額(年5分の割合による金員を含む)の支払い、委員長を主任に昇格させたものとしての取扱い、主任手当相当額(年5分の割合による金員を含む)の支払い及び誓約書の手交を命じ、将来にわたる支配介入及び不利益取扱いの禁止、ポスト・ノーティスについての申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人に対して、昭和51年1月29日付け時間内組合活動に関する協定の破棄通告がなかったものとして取り扱わなければならない。 2 被申立人は、X1、X2及びX3に対して、各3日間の出勤停止処分がなかったものとして取り扱うとともに、同人らに対して別表記載の金額及び年5分を乗じた額を支払わなければならない。 3 被申立人は、申立人との間の次の議題による団体交渉に誠意をもって応じなければならない。 (1) 時間内組合活動に係る協定の改訂に関すること。 (2) 欠員補充に係る人員要求に関すること。 4 被申立人は、50年3月10日付けでX1を主任に昇格させたものとして取り扱うとともに、同人が主任に昇格していたならば得たであろう主任手当相当額(月額 5,000円)及びこれに年5分を乗じた額を支払わなければならない。 5 被申立人は、申立人に対して下記の文書を手交しなければならない。 記 年 月 日 申立人代表者あて 被申立人代表者名 当社は、貴組合に対して、時間内組合活動に係る協定の改訂並びに欠員補充に係る人員要求を議題とする団体交渉を正当な理由なく拒否しました。この行為は労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であることを認めるとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 6 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。
別表 氏 名 賃金カット額 一時金カット額
X1 21,084円 8,943円
X2 20,055 8,520
X3 19,005 8,235 |
判定の要旨 |
3103 労働協約締結をめぐる行為
時間内組合活動に関する協定の破棄通告は、組合が良識的に組合活動をしていないとして同協定の改訂案を一方的に提案強要し、誠意をもって協議を行うことなく行ったものであり、たとえ、その破棄通告が形式上は合法的になされたものとしても、会社の真の意図が組合の弱体化を意図したものと認められる以上、不当労働行為であると判断する。
1204 スト・カット
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
時間内組合活動協定破棄通告以降の組合の時間内活動を理由に組合役員3名を3日間の出勤停止処分に付し、賃金カットしたことが不当労働行為とされた例。
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組織改革に伴う昇格人事において、非組合員4名を昇格させ、執行委員長を主任に昇格させなかったことが不当労働行為とされた例。
2301 人事事項
欠員補充に関する団交申入れに対し、会社の専権事項であるとして拒否したことが不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集665頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1979年3月15日 312号 77頁 
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