概要情報
事件名 |
サイバネット工業 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和53年(不)第26号
神奈川地労委 昭和53年(不)第31号
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申立人 |
全関東単一労働組合 |
被申立人 |
サイバネット工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和53年11月25日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、工場閉鎖及び解雇の問題について、別組合とは団交を進めながら申立人組合からの団交申入れに対しては、4回の団交後、これ以上の進展は望めないとして、団交打切りを回答したこと、工場閉鎖等の団交中、当該工場の機械を一方的に搬出したこと、申立人組合との団交手続等の文書発行に当り、宛先をことさらに組合の分会長あてにしたこと等が争われた事件で、誠意ある団交応諾及びポスト・ノーティスを命じ、申立人組合員X1に対する賃金カット、組合員に対する職制や非組合員に対する暴力行為、閉鎖工場への部外者立入禁止措置、組合事務所の破壊については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人サイバネット工業株式会社は、昭和53年5月8日づけの申立人組合に対する団体交渉拒否通告を撤回し、申立人組合が申入れた団体交渉について、総評全国一般神奈川統一労働組合と差別することなく誠意をもってこれに応じなければならない。 2 被申立人サイバネット工場株式会社は、この命令交付の日から5日以内に下記文書を縦1メートル、横 1.5メートルの白色木板に明瞭に楷書で墨書し、被申立人会社の正門入口の見やすい場所に、10日間掲示しなければならない。 陳 謝 文 当社は、貴組合との団体交渉に誠意をもって応ぜず、一方的に機材を搬出したこと、また、貴組合あてに通知すべき文書をことさら分会長あてとして通知したことは、神奈川県地方労働委員会において労働組合法第7条に該当する不当労働行為であると認定されました。 よって、ここに深く陳謝するするとともに、今後一切かかる不当労働行為を行わないことを誓約いたします。 昭和 年 月 日 全関東単一労働組合 執行委員長 X2 殿 サイバネット工業株式会社 代表取締役 Y1 3 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
組合員X1の組合用務のための離席による賃金カットのうち離席時間を切上げた部分は組合員であることを理由とする不当なものであるとの組合の主張を斥けた例。
2241 他の係争事件の存在
K工場の閉鎖及び解雇問題について、10日間程度の短期間の中でしか団交に応じなかったことが不当労働行為とされた例。
2700 威嚇・暴力行為
会社が職制や非組合員を動員して組合員を暴力的に会社構内から排除し、負傷者をも生ぜしめたのは不当労働行為であるとの組合の主張が斥けられた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社がK工場からの機械搬出の際、組合事務所を使用不能にしたことは、組合に対する支配介入行為であるとの組合の主張が斥けられた例。
3020 組合活動への制約
会社が、K工場への部外者の立入りを禁止したのは、組合活動を抑制し組合と会社従業員を分断しようとするもので不当労働行為であるとの組合の主張が斥けられた例。
2901 組合無視
会社が、組合との団交を拒否しながらすべての文書を分会長あてとしたことが不当労働行為とされた例。
2901 組合無視
団交拒否中の機械の搬出は、工場閉鎖の一方的実施につながることから組合の存在を無視するものとして不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集514頁 |
評釈等情報 |
 
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