大日本塗料(概要情報)

労働委員会命令データベース

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**概要情報**
事件名	大日本塗料
事件番号	神奈川地労委　昭和52年（不）第26号神奈川地労委　昭和53年（不）第1号
申立人	Ｘ2、外3名
被申立人	大日本塗料　株式会社
命令年月日	昭和53年11月 7日
命令区分	一部救済（命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む）
重要度
事件概要	会社が、組合内の少数派である申立人らに対して、昭和45年以降の賃金・賞与に関する考課査定を他の同時期入社者より低くしたこと、同様に52年4月の職級昇格の格付けを遅らせたことが争われた事件で、50・51年度の賃金・賞与の是正及び差額支給（年5分相当額の加算を含む）、52年4月以降の職級是正、52年度の賃金及び賞与の各考課の再査定のうえ是正し、その差額支給（年5分相当額の加算を含む）、賃金・賞与及び職級についての差別的取扱いの禁止及びポストノーティスを命じ、45年以降50年3月分までの賃金と同3月以前の賞与については、継続する行為に当らないとして、申立てを棄却した。
命令主文	1　被申立人大日本塗料株式会社は、申立人Ｘ1、同Ｘ2、同Ｘ3、同Ｘ4に対し、昭和50年度及び昭和51年度の賃金・賞与につき、それぞれ次のとおり是正し、すでに支払い済みの額との差額相当額　　　　　　　　　Ｘ1　　　／　　Ｘ2　　／　Ｘ3・Ｘ4 　　区　分　　　　　　　 50　51　／　50　51　／　50　51 賃　　職能給　　 41,2　43,3　／　39,4　41,5　／　39,4　41,5 金月　職能額　手当　　　 75,0　78,2　／　71,5　78,2　／　71,5　78,2 　　　　　　　 92　93　／　92　93　／　92　93 賞　夏季　　　期　　期下　／　期　　期下　／　期　　期下　　一時金与　　　　　　 93　94　／　93　94　／　93　94 　　年末　　　期上　期上　／　期上　期上　／　期上　期上　　一時金　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位は百円）を支払わなければならない。 2　被申立人大日本塗料株式会社は、昭和52年4月から申立人らの職級をＸ1につき主務職3級に、Ｘ2、Ｘ3及びＸ4につき主務職2級にそれぞれ是正しなければならない。 3　被申立人大日本塗料株式会社は、前2項によってそれぞれ是正した職級及び賃金に基づき、昭和52年度における各申立人の賃金及び賞与を、少くとも各申立人と同期入社の従業員の平均を下廻らないよう、その各考課を再査定のうえ是正し、その差額相当額を支払わなければならない。ただし再査定に当っては、各申立人の従来の査定点を下廻ってはならない。 4　被申立人大日本塗料株式会社は、各申立人に対し、第1項及び前項において支払うべき差額相当額にそれぞれ年5分相当額を加算して支払わなければならない。 5　被申立人大日本塗料株式会社は、各申立人に対し、今後賃金・賞与及び職級につき、労働組合活動を理由として申立人らと同期入社の従業員と差別的取扱いをしてはならない。 6　被申立人大日本塗料株式会社は、下記内容の陳謝文を縦1メートル横2メートル以上の白木の板に墨書し、この命令送達の日から3日以内に被申立人会社横浜工場の各入口の見やすい場所に15日間掲示しなければならない。　　　　　　　　　　　　　陳　　謝　　文　当社は、貴殿らに対し、昭和50年度以来職級および賃金・一時金について差別取扱いを行ってきましたが、これは明白な不当労働行為でありましたので深く陳謝し、これを是正するとともに今後かかる違法な差別は一切しないことを誓約いたします。　　昭和　年　月　日　Ｘ2 　Ｘ4　殿　Ｘ1 　Ｘ3 　　　　　　　　　　　　　大日本塗料株式会社　　　　　　　　　　　　　　　代表取締役　Ｙ1 7　各申立人のその余の救済申立てを棄却する。
判定の要旨	1202　考課査定による差別会社が、申立人らを職務遂行能力が平均より著しく劣る等を理由とし、賃金、賞与についての考課差別及び職級の昇格を同時入社者より遅らせたことが不当労働行為とされた例。 5201　継続する行為申立期間に救済申立てをしなかったことによる賃金差額または不昇級の不利益が遂年、累積することがあっても、そのことのみをもって継続する不当労働行為にあたるとは認められないが、毎月の賃金支払行為が、不当労働行為として救済の対象となるときはこれと一体をなす賃金決定行為も「継続する行為」として救済の対象となしうるとされた例。 5201　継続する行為労委は、「継続する行為」に該当するか否かは具体的事実に即して判断すべきものであり、そのため事実関係を審理する必要があるとして会社側の審問前却下の主張を斥けた例。
業種・規模	化学工業
掲載文献	不当労働行為事件命令集64集404頁
評釈等情報

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