概要情報
事件名 |
サイバネット工業 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和53年(不)第20号
神奈川地労委 昭和53年(不)第22号
神奈川地労委 昭和53年(不)第23号
|
申立人 |
総評全国一般神奈川統一労働組合サイバネット工業支部 |
被申立人 |
サイバネット工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和53年 9月22日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、工場閉鎖問題に関し、申立人組合との団交を行うとの合意があるにもかかわらず十分な協議をせず機材搬出を強行し、その後の団交においても誠意ある交渉に応じなかったこと、申立人組合員の保証人に対し申立人組合員を誹謗する文書を郵送したことが争われた事件で、誠意団交、支配介入の禁止及びポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、被申立人会社川崎工場の閉鎖に関する諸問題について申立人組合と誠実に団体交渉を行わせなければならない。 2 被申立人会社は、申立人組合員の保証人に対し申立人組合員を誹謗する文書を郵送して申立人組合から組合員を脱退させようと働きかけるなどして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、この命令交付の日から5日以内に、下記文書を縦 1.5メートル、横3 メートルの白色木板に明瞭に楷書で墨書し、被申立人の本社の正門入口の見やすい場所に、10日間掲示しなければならない。 陳 謝 文 当社が、昭和53年5月18日づけで、「従業員として何一つ不利益にならない会社の提案を、一部組合員が外部団体の指導を受けて、反対し、暴行障害行為を繰り返していること。かかる行為が繰り返された場合、会社は、各保証人に対し、損害賠償の請求をせざるを得ないこと。」等を内容とする文書を、貴組合員の各保証人あて郵送したことは事実を歪曲して組合員の貴組合からの脱退を働きかけることを目的とするものとして、今般神奈川県地方労働委員会により、労働組合法第7条第3号の組合の運営に対する支配介入に該当する不当労働行為である旨認定されました。 また、一方的に機材を搬出するなど、貴組合との団体交渉についても、誠意をもって応じていない旨同委員会から認定されました。よって、ここに深く陳謝するとともに、今後一切かかる不当労働行為をしないことを誓約いたします。 総評全国一般神奈川統一労働組合 サイバネット工業支部 執行委員長 X1 殿 サイバネット工業株式会社 代表取締役社長 Y1 4 被申立人は、この命令交付の日から5日以内に、下記文書を書留郵送で、申立人組合員らの各保証人あてに、郵送しなければならない。 記 前略 弊社は、昭和53年5月18日づけ文書を貴殿あてに郵送いたしました。ところで右文書は事実を歪曲し、総評全国一般神奈川統一労働組合サイバネット工業支部を誹謗して、貴殿がその保証する組合員に対し、右サイバネット工業支部からの脱退を働きかけることを求めるものとして、今般神奈川県地方労働委員会により組合の運営に支配介入する不当労働行為である旨認定されました。したがって、貴殿に対して、ご心労をわずらわしたことを深く陳謝するとともに、労働組合や労働者の自主性を尊重するたてまえから、今後一切労働組合問題には、ご関与なさらないよう御願い申しあげます。 殿 サイバネット工業株式会社 代表取締役社長 Y1 |
判定の要旨 |
2242 回答なし
会社が工場閉鎖については団交のみで協議決定するとの組合との合意に反し、機材搬出を強行したことが発端となり、その後の団交でその点を解決しないまゝ、あくまで工場閉鎖を前提とした事項について交渉を行うことに固執したことが不誠意団交とされた例。
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社が、組合員の身元保証人に対し組合員を誹謗する文書を郵送したことが支配介入とされた例。
|
業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集350頁 |
評釈等情報 |
 
|