労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  米野幼稚園 
事件番号  愛知地労委 昭和52年(不)第1号 
申立人  X1 外2名 
申立人  愛知県私立学校教職員組合連合 
被申立人  米野幼稚園園主 
被申立人  米野幼稚園園長 
命令年月日  昭和53年 9月 4日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  園児の減少を見越し、将来園主の近親者をもって経営することを企画した園側が、近親者を採用する一方で、申立人らを解雇あるいは解雇予告し、また、申立人らに不要の業務を命じて園児との接触を禁じたことが争われた事件で、園児との接触を禁止する取扱いを中止し幼稚園教諭としての保育業務への就労及び文書手交を命じ、謝罪文の各新聞紙上への掲載及び園の正面入口への掲示を求める救済申立ては棄却した。 
命令主文  1 被申立人米野幼稚園園主Y1及び被申立人米野幼稚園園長Y2は、申立人X1、申立人X2及び申立人X3に対する園児との接触を禁止する取扱いを中止し、申立人ら3人を幼稚園教諭として幼児保育の業務に就かせなければならない。
2 被申立人らは、申立人愛知県私立学校教職員組合連合に対し、下記文書を本命令書交付の日から7日以内に手交しなければならない。
                記
 愛知県私立学校教職員組合連合の組合員3人に対して行った昭和51年9月30日付の解雇予告及び昭和52年3月24日付の解雇通知に基づく解雇並びに同組合員に対し園児との接触を禁止した行為は、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為である旨愛知県地方労働委員会から認定されました。
 よって、ここに陳謝の意を表するとともに今後このような行為を決して行わないことを誓約します。
  昭和 年 月 日
             米野幼稚園園主 Y1
             米野幼稚園園長 Y2
 愛知県私立学校教職員組合連合
  執行委員長 X4殿
3 申立人らのその余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
仮処分決定によって復職した申立人X1ら3名に対し、異常な作業環境のもとで園にとって緊急の必要性あるものと認められない楽譜写しを一日中させ、しかも、園児との接触を一切禁止していることは、到底幼稚園教諭としての処遇を行っているとはいえず、むしろ不利益扱いであるとともに、同人らがこのような劣悪な作業環境に堪え難くなって、自ら任意退職の道を選ぶことを余儀なくさせ、もって分会の潰滅を意図したものと判断するのが相当である。

2000 人員整理
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
園児数減少等を理由に申立人個人3名を解雇したことは、解雇には合理的な理由が全く存しなく、他方、組合に対し、園が組合脱退勧奨、団交拒否等組合活動を嫌悪していたことを併せ考えれば、家族の者のみによって園を運営することに藉口し、分会の潰滅を目的としたものであると判断するのが相当である。

4905 経営補助者
園長は、園主とともに園の方針及び運営並びに人事及び労務関係についての実質的、かつ、直接的な権限を有していることは、園長が常に団交に出席していること、組合との協定書等に園を代表して調印していること、労委における過去4回にわたるあっ旋等事件の使用者は常に園長名であること等からも明らかであり、園長も、また、園主と共に被申立人としての当事者適格を有するものと認められる。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集64集281頁 
評釈等情報   

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