概要情報
事件名 |
阿部写真印刷 |
事件番号 |
福島地労委 昭和50年(不)第1号
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申立人 |
X1外7名 |
申立人 |
全日本自由労働組合 |
被申立人 |
阿部写真印刷 株式会社 |
命令年月日 |
昭和53年 7月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
営業譲渡を受けた会社が会社を解散し組合員らを解雇したことが譲渡会社の不当労働行為であるとして譲渡会社のみを被申立人として申立てられた事件で譲渡会社に対し原職又は原職相当職への復帰、バックペイを含む解雇がなかったと同様の状態の回復を命じ、他の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人ら(全日本自由労働組合を除く。)に対して、昭和49年2月20日付けの解雇がなかったと同様の状態に回復させるために次の措置を講じなければならない。 (1) 原職又は原職相当職に復帰させること。 (2) 解雇の日から原職又は原職相当職に復帰させるまでの間の賃金相当額を支払うこと。 2 申立人らのその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1800 会社解散・事業閉鎖
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
経営不振を理由とする会社解散には合理的根拠がないばかりか、解散解雇にあたり従業員と充分な事前協議をしないで一方的な通告をしたこと、又これら会社解散という重大時を回避するがための最大限の企業努力がなされていないこと、更に組合員らの再就職あっせんに対する不誠意等を併せ考えると、本件会社解散に伴う組合員らの解雇は組合壊滅を図った不当労働行為であるといわざるを得ない。
4405 バックペイから他収入控除
本件解雇後、被解雇者らは他職場において収入を得ているが、その収入額は最低限の生活を維持するためのものであると解され、賃金遡及支払いの救済にあたりこれらを控除することなく全額の支払いを命ずることが相当である。
4916 企業に影響力を持つ者
被申立人A社が設立した申立外K社に対し、A社は役員人事上、営業政策上、労務対策上等の面において、支配していると認めることができることからK社の労働組合及び組合員らの諸利益を左右する支配力又は影響力を有し、実質的同一性が認められ、従って、被申立人社はK社の従業員に対して労組法上の使用者たる地位にあると解される。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集133頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 昭和53年9月25日 960号 57頁 
労働判例 307号 60頁 
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