概要情報
事件名 |
大阪放送 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和51年(不)第8号
|
申立人 |
大阪放送労働組合 |
申立人 |
日本民間放送労働組合連合会 X1 外4名 |
申立人 |
日本民間放送労働組合連合会近畿地方連合会 |
被申立人 |
大阪放送 株式会社 |
命令年月日 |
昭和53年 7月 8日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
組合活動家5名に対して、同人らと同時期入社の者が全て副部長に昇格しているにもかかわらず、同人らを昇格させなかったことが争われた事件で、昇格差別は継続する行為に該当する行為に該当しないが、申立前1年以内になされるべき昇格がなされていない場合は昇格の実現を命じることは何ら差支えないとし、申立日から1年前の日の翌日付で副部長への昇格、昇格に伴うバックペイ(年5分の割合による金員を加算)を命じ、1年前の日以前の昇格、慰謝料を求める救済申立については却下し、将来にわたる会社の組合員らに対する不利益扱い及び組合に対する支配介入の禁止、ポスト・ノーティスについては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X1、同X2、同X3、同X4及び同X5(以下それぞれ姓のみによって表示する)を、昭和50年2月11日付けで副部長に昇格させたものとして取り扱い、同日以降それによって得たであろう賃金相当額(既に支払った金員を除く)及びこれに年5分を乗じた額を支払わなければならない。 なお、上記賃金相当額の算出は下記の基準による。 (1) X1については、社歴8年6月で課長、社歴14年8月で副部長にそれぞれ発令(職能給の昇号は査定Bとする。以下同じ)されたものとして算出すること (2) X2については、社歴8年9月で課長、社歴18年6月で副部長にそれぞれ発令されたものとして算出すること (3) X3及びX4については、社歴9年3月で課長、社歴14年で副部長にそれぞれ発令されたものとして算出すること (4) X5については、昭和47年7月に副部長として発令されたものとして算出すること 2 申立人らの、昭和50年2月10日以前にかかる昇格についての申立ては、これを却下する。 3 申立人大阪放送労働組合、同日本民間放送労働組合連合会近畿地方連合会及び同日本民間放送労働組合連合会の慰謝料に関する申立ては、これを却下する。 4 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員X1ら5名を合理的根拠もなく副部長に昇格させなかったことが不当労働行為とされた例。
3800 行為の結果・その他
副部長職には定数の定め及び権限の付与がなく単なる待遇上の資格にすぎないことから、ポストの不足により昇格させるポストがないという会社の主張が排斥された例。
5005 損害賠償の請求
慰謝料を求める救済申立ては、労委の判断になじまないとして却下された例。
4413 給与上の不利益の場合
昇格遅延の救済として、不当労働行為がなかったならば、副部長に昇格していたであろう時期以降職能給が昇号したものとしてのその賃金相当額の支払いに年5分の割合による金員の付加を命じた例。
4823 上部団体
地連の申立人適格が認められた例。
5200 除斥期間
昭和47年乃至昭和49年の組合員X1らに対する昇格差別については、継続する行為にあたらないとして却下せざるを得ないが、なされるべき昇格が申立日の1年前以内においても行われていない場合は、その不作為を審査の対象とし、かつ、その限りにおいてなされるべき昇格の実現を命じることは何ら差し支えないとされた例。
|
業種・規模 |
放送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集68頁 |
評釈等情報 |
 
|