概要情報
事件名 |
日本航空 |
事件番号 |
東京地労委 昭和51年(不)第99号
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申立人 |
日本航空客室乗務員組合 |
被申立人 |
日本航空 株式会社 |
命令年月日 |
昭和53年 7月 4日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、51年度パーサー昇格試験における各評価項目のうち、人事考課等について組合員を他の従業員に比べ低位に査定し、受験した組合員の大多数を不合格として、パーサーに昇格させなかったことが争われた事件で、組合員26名の52年2月15日に遡ってのパーサー昇格及びバックペイ、上記26名については、将来チーフパーサーへ任用するに当って、経験年数の起算点は、今回の発令時に遡って取り扱うことを命じ、昭和48年度及び同49年度の人事考課点の差別は、申立組合員の故の差別とは認められないとして申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人日本航空株式会社は、別紙記載の26名を昭和51年度パーサー昇格訓練受講者選考第2次合格者として取扱い、パーサー昇格のための訓練を受けていない者には同訓練を実施して、つぎの措置を講じなければならない。 (1) 昭和52年2月15日に遡ってパーサー職の発令をし、同日以降支給されるはずであった賃金(基本賃金、特別職務手当のほか乗務手当、乗務付加手当、乗務日当を含む)と現実に支給された賃金との差額を支払うこと。 (2) 将来チーフパーサーへ任用されるに当って適用される「経験基準」(下位職経験年数)の起算点を発令時に遡って取扱うこと。 2 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
5200 除斥期間
昭和48、49年度の人事考課について、会社は、いずれも行為の日から1年を経過したものであるから事実上救済することはできないと主張するが、組合が救済を求めているのは、パーサー昇格試験の結果の是正であり、同試験の合否の資料として、上記両年度の人事考課の結果が使われた以上、その救済の対象について判断の必要のある限度で、これを審査することは許される。
1202 考課査定による差別
昇格試験に関し、同試験の合否の資料として使用した昭和48年度乃至昭和50年度の人事考課のうち、申立組合員なるが故の差別としての格差のある昭和50年度の人事考課を資料として使用したことが不当労働行為であるとされた例。
1200 降格・不昇格
昇格試験の面接点を、試験官の主観で組合員に対して、不当にきびしく評価したことが不当労働行為とされた例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
昭和52年度昇格試験に合格している者が、昭和51年度昇格試験の結果の是正を求めることは、救済申立ての利益を失わしめるものではないとされた例。
4415 賃金是正を命じた例
昭和50年度人事考課の是正及び面接点の格差是正の結果、昇格試験第2次合格者の最低点以上となる組合員26名を、第2次合格者として取扱うことが相当とされた例。
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業種・規模 |
航空運輸業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集59頁 |
評釈等情報 |
 
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