労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  朝日放送 
事件番号  大阪地労委昭和51年(不)第4号 
申立人  民放労連近畿地区労働組合 
被申立人  朝日放送 株式会社 
命令年月日  昭和53年 5月26日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  下請会社の従業員が加入している組合から、元請会社に対し団体交渉の申し入れがあったのに対し、組合員らとは雇用関係がないことを理由にこれを拒否したこと、組合員に組合脱退を勧奨したこと及び抗議行動中の組合員に暴行を加えたこと等をめぐる事件で、申立人組合員らの勤務内容等、会社が関与している事項についての団交応諾及びポスト・ノーティスを命じ、会社の関与する事項以外についての団交申立て、スティ・イン中の組合員の排除に関する申立て、無通告ストの批判に関する申立て、X1に対する就労妨害に関する申立て及び配置転換に関する申立ては却下し、組合員X2に関する就労妨害等については棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人の組合員らの勤務内容等被申立人の関与する事項について、同人らの使用者ではないとの理由で、申立人との団体交渉を拒否してはならない。
2 被申立人は、速やかに下記文書を申立人に手交しなければならない。
               記
                       年 月 日
   申立人代表者あて
                    被申立人代表者名
 当社が、昭和49年11月から同50年2月ごろまでの間、貴組合員らに貴組合からの脱退を求めたこと、同50年7月7日、貴組合員に暴行を働いたことは、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。
3 被申立人の関与する事項以外についての団体交渉に関する申立、ステイ・イン中の組合員の排除に関する申立て、無通告ストの批判に関する申立て、X1に対する就労妨害に関する申立て及び配置転換に関する申立ては、いずれも却下する。
4 申立人のその他の申立ては、棄却する。 
判定の要旨  4900 請負・委任・派遣契約
下請会社から元請会社に派遣されている組合員の労働条件について、元請会社は、組合員の採用、配置転換及び勤務割を除き業務上の指揮監督、組合員の出退勤及び休暇等の管理等を通じ、労務内容について直接的な支配力を有し、かつかかる支配力を通じて、労働の対価としての賃金に大きな影響力を及ぼしているのであるから、その限りにおいて、本件組合員に対する使用者責任を免れない。

2130 雇用主でないことを理由
元請会社は限定された事項につき、その関与する程度に応じ使用者責任を負うものと認められ、使用者でないとの理由で一切団交を拒否する態度は不当労働行為であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
元請会社主任の行った下請企業の従業員に対する組合脱退勧奨は、元請会社の意を体してなされたものとみるべきであって、元請会社がその責を負うべきものとして不当労働行為とされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
団交拒否に対し、組合側の抗議行動の際、元請会社次長が分会長に暴力を振ったことが、不当労働行為とされた例。

4900 請負・委任・派遣契約
元請企業の職制の言動が問題となっている場合に、元請企業の使用者性が認められる以上、この問題についての被申立適格を有するとされた例。

5147 その他
元請会社の関与する事項以外の要求事項については、団交応諾義務はないとして規則34条1項5号によりこの部分の団交を求める申立が却下された例。

5147 その他
組合員の行ったステイ・インは、下請従業員の直接雇用を目的としたものであり、採用権限のない元請会社の職制が、これを排除しても不当労働行為に当らないとして却下された例。

業種・規模  放送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集63集430頁 
評釈等情報  労働判例  301号 90号 

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約219KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。