概要情報
事件名 |
小樽愛育会 |
事件番号 |
北海道地労委 昭和52年(不)第14号
北海道地労委 昭和52年(不)第17号
|
申立人 |
小樽地区労働組合会議 |
申立人 |
愛育保育園労働組合 |
被申立人 |
社会福祉法人助産婦小樽愛育会 |
命令年月日 |
昭和53年 4月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
無資格の保母助手のうち組合員2名のみを無資格を理由に解雇通告したこと、このうち1名に対して就労を妨害したこと、同人らの解雇後保母を高額賃金で採用したことが争われた事件で、組合員2名の解雇通告については解雇後仮処分の和解が成立しているところから支配介入の禁止、陳謝文の手交を命じ、保母を高額賃金で採用したこと、損害賠償請求及び陳謝文の新聞掲載については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人らの組合員に対して、従前の労使協定の協議条項に反して解雇通告をなしたり、また、就労するなとの言動を行うなどして申立人らの弱体化を図り、その運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、下記内容の陳謝文を2通作成し、命令書交付の日から5日以内に申立人らにそれぞれ1通を渡さなければならない。 記 陳 謝 文 当会が組合員X1・同X2に対して、昭和51年9月30日付で解雇通告を行い、また、当会保育園園長Y1が、昭和52年4月19日、従業員多数の面前で、組合員X1について、「X1さんは必要のない人だから出勤は認めるが一切仕事につかないでホールに座っていなさい。」との旨指示したことは、貴殿らを嫌悪し弱体化を図り、運営に支配介入したものであって、労働組合法第7条に該当する不当労働行為でありました。 ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓います。 昭和53年 月 日(命令書交付の月日を入れること) 愛育保育園労働組合殿 小樽地区労働組合会議殿 社会福祉法人 助産婦小樽愛育会 理事長 Y2 (押印のこと) 愛 育 保 育 園 園 長 Y1 (押印のこと) 3 申立人らのその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1107 その他
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3600 処分の差別
無資格の保母助手のうち組合員2名のみを別件事件和解協定による充分な協議を行うことなく無資格を理由に解雇通告したことが不当労働行為とされた例。
1302 就業上の差別
1401 労務の受領拒否
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
解雇通告したX1に対して就労を認めない旨の園長の指示が不当労働行為とされた例。
1500 不採用
保母助手である組合員2名の解雇通告後、保母を高額で採用したことが不当労働行為でないとされた例。
4403 解雇後の事情と原職復帰
4601 「抽象的不作為命令」を命じた例
4614 文書手交のみを命じた例
組合員2名の解雇通告については仮処分事件で和解成立していること、X1に対する就労妨害については同人が現実に就労していることから支配介入の禁止、陳謝文の手交を命じた例。
5005 損害賠償の請求
解雇通告に関する損害賠償の救済申立てが棄却された例。
|
業種・規模 |
社会保険、社会福祉 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集63集294頁 |
評釈等情報 |
 
|