労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  愛知工務店 
事件番号  大阪地労委 昭和51年(不)第42号 
申立人  全日本港湾労働組合関西地方本部 
被申立人  Y1 
被申立人  株式会社 愛知工務店 清算人 Y1 
命令年月日  昭和53年 2月17日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  経営不信を理由に会社を解散して全員を解雇したこと及びその後の組合からの団交申入れに対して会社不存在等を理由に団交を拒否した事件で、会社及び実質的経営者個人に対し、本件解雇がなかったものとして取扱うこと、バックペイ(年率5分の割合による金員を付加)、団交応諾及び文書手交を命じ、企業の再開及び原職または原職相当職への復帰については棄却した。 
命令主文  1 被申立人らは、X1及びX2に対して、昭和51年3月11日付け解雇がなかったものとして取り扱い、同年4月分以降、両人が受けるはずであった賃金相当額及びこれに年率5分を乗じた額を支給しなければならない。
2 被申立人らは、全日本港湾労働組合関西地方建設支部及び同支部愛知工務店分会との間で、昭和51年3月2日付け及び同月12日付けの要求について、速やかに団体交渉を行わなければならない。
3 被申立人らは、申立人に対して、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
                記
                       年 月 日
    申立人代表者あて
               株式会社愛知工務店代表者名
               Y1
 次の行為は、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝いたします。
(1) 昭和51年3月11日付けで貴組合員を解雇したこと
(2) 昭和51年3月2日付け及び同月12日付けの要求について、正当な理由なく団体交渉に応じなかったこと
4 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  4911 解散事業における使用者
会社が、清算を結了したものとして登記されていても、本件が当委員会に係属している以上、清算結了したものとは認め難く、会社は少なくも清算法人として存続していると考えるのが相当であり、規則34条1項6号の却下事由には該当しない。

4911 解散事業における使用者
会社の経営は、実質上Y1の掌中に委ねられており、会社の継続、解散を含め、同社の経営がすべて同人の意思に基づいてなされていること等から勘案すると、会社は株式会社の形態を整えているものの、その実態はY1個人の事業であるといわざるを得ず同人も本件被申立人適格を有し、会社と共に本件不当労働行為の責任を負うべきである。

1800 会社解散・事業閉鎖
2000 人員整理
3105 事業廃止、工場移転・売却
経営不信を理由に会社を解散し、全員を解雇したことが不当労働行為とされた例。

2213 交渉人数
2400 その他
組合側が団交の人数制限に応じないこと及び清算結了登記日以降、会社不存在を理由に団交拒否したことが不当労働行為とされた例。

5008 その他
労委は、企業再開を命ずることが出来ず、また原職が存在しないとして、企業の再開及び被解雇者らの原職または原職相当職への復帰の救済申立を棄却した例。

業種・規模  建設業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集63集179頁 
評釈等情報   

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