概要情報
事件名 |
親和交通 |
事件番号 |
東京地労委 昭和50年(不)第52号
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申立人 |
X2 |
申立人 |
X1 |
申立人 |
全国自動車交通労働組合東京地方連合会東京自動車交通労働組合 |
被申立人 |
丸善自動車交通 株式会社 |
被申立人 |
親和交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和52年12月20日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
事故多発、乗車拒否等を理由に組合員に配車差別をし、ビラ配布を理由として組合役員を出勤停止処分にしたり同問題に対する団交申入れを拒否した事件で、配車差別の禁止、出勤停止処分の撤回、ポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人親和交通株式会社および丸善自動車交通株式会社は、申立人全国自動車交通労働組合東京地方連合会東京自動車交通労働組合所属の親和丸善分会の分会員に対して、分会員であることの故をもって配車換することにより、新車に乗務する機会を失なわせてはならず、分会員X1、X3に対して、直近の時期に新車を配車しなければならない。 2 被申立人会社は、申立人X1およびX2に対する昭和50年5月12日付出勤停止処分を撤回しなければならない。 3 被申立人会社は、本命令受領の日から10日以内に、55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に、下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社入口付近の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 昭和 年 月 日 全国自動車交通労働組合東京地方連合会東京自動車交通労働 組合 執行委員長 X4 殿 親和交通株式会社代表取締役 丸善自動車交通株式会社代表取締役 Y1 当社の行なった下記の行為は、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このような行為を繰り返さないように留意します。 (1)貴組合親和丸善分会の分会員X1、X3両氏に対して配車差別を行なったこと。 (2)昭和50年5月10日および同月12日の分会との団体交渉を拒否したこと。 (3)X1、X2両氏に対し、出勤停止処分を行なったこと。 (注:年月日は掲示の日を記載すること) 4 被申立人会社は、前各項を履行したときは、すみやかに文書で当委員会に報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
事故多発、乗車拒否を理由として申立分会員に新車を配車しなかったことが不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
会社構内においてビラ配布をした分会活動家を、出勤停止処分にしたことが不当労働行為とされた例。
2123 その他交渉出席者
身分のわからない者が立入っているとして申立組合副委員長の参加した団交に応じなかったことが不当労働行為とされた例。
2242 回答なし
共闘会議の議長が組合事務所から退去しないことを理由に団交を拒否したことは正当な理由があるものとは認め難いとされた例。
3607 労働者の行為と不利益取扱の程度との関連
会社構内におけるビラ配布は、就業規制に反し無許可であったことは失当といえなくもないが、これに対し会社が出勤停止処分という重い処分をもって臨んだことから不当労働行為とされた例。
3900 「不利益の範囲」
新車を配車しないことが懲戒処分的な意味を持たせて行われていることから、配車差別が不利益取扱いとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集62集625頁 |
評釈等情報 |
 
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