労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  明治屋 
事件番号  岡山地労委 昭和47年(不)第4号 
申立人  総評全国一般全明治屋労働組合 
被申立人  株式会社 明治屋 
命令年月日  昭和52年12月 8日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  就労時間内に作業衣を着替えた組合員らに対する昇給差別および着替えに関する就業規則改訂についての団交申入れを拒否、得意先における組合員の腕章着用、作業衣の着替えに関する職制の言動をめぐる事件で、団交応諾、賃上げに関する考課査定の是正と差額相当額の支払いおよびポスト・ノーティスを命じ、その余の申立ては棄却した。 
命令主文  1 被申立人会社は、申立人組合が、作業衣の着替えについて、昭和47年7月7日付けで申入れた団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人会社は、X1・X2・X3・X4・X5・X6・X7・X8・X9に対し、昭和47年度賃上げについて、昭和47年4月に遡り、査定平均額 720円に上記9名の人員を乗じて算出した額 6,480円を原資として再査定し、賃金の差額分を速かに支払わなければならない。
3 被申立人会社は、命令受領後、速かに、日本標準規格A1版(60cm ×84cm) の堅牢な白紙に下記のとおり墨書し、(株)明治屋岡山支店一階事務所内の従業員の見やすい場所に10日掲示しなければならない。
              記
                 昭和  年 月 日
総評全国一般全明治屋労働組合
 中央執行委員長 X10 殿
         株式会社 明 治 屋
           代表取締役社長 Y1
 当社が、貴組合及び組合員に対して行った下記行為は、労働組合法第7条第1号・第2号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。
              記
1 貴組合が、昭和47年7月7日付けで提出された、作業衣着替えに関する団体交渉の申入れを拒否した行為。
2 昭和47年賃上げに際し、その査定部分について、貴組合の一部組合員に対し差別した行為。
3 当社岡山支店次長Y2が、昭和47年5月13日岡山市中山下1丁目11番58号「いづみ」岡山店荷受け場所において、組合活動として闘争中に腕章を着用している貴組合員X6に対し、それを取りはずすよう強要した行為。
 以上、岡山県地方労働委員会の命令により掲示します。
4 申立人組合のその余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  0210 リボン・ワッペン等の着用
得意先において組合員X6が腕章を着用したまま作業したことが正当な組合活動とされた例。

1202 考課査定による差別
賃上げの考課配分について時間外着替えに反対する組合員らを集中的に低位にランクしていることから、適正な人事考課査定が実施されたとは言い難く不当労働行為とされた例。

2300 賃金・労働時間
2302 労務管理・労使関係
着替えに関する就業規則の改訂についての団交申入れを、労働条件の変更ではないとして拒否したことが不当労働行為とされた例。

2621 個別的示唆・説得・非難等
就労にあたっての着替え時間が業務に含まれるか否か見解の対立がみられる場合、団交等により解決すべきであるが、これが未解決の状態において、使用者が就業時間までに着替えをするよう求め、説得したからといって支配介入とはいえないとされた例。

2900 非組合員の優遇
賃上げの考課配分について時間外着替えに反対する組合員らを集中的に低位にランクしていることから、適正な人事考課査定が実施されたとは言い難く不当労働行為とされた例。

3105 事業廃止、工場移転・売却
組合員X6の腕章着用活動が正当な組合活動と認められることから、得意先の要請によりこれの取りはずしを強要したY2次長の行為は支配介入にあたるとされた例。

業種・規模  食料品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集62集581頁 
評釈等情報   

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