概要情報
事件名 |
聖光学院 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和52年(不)第4号
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申立人 |
聖光学院教職員組合 |
被申立人 |
学校法人 聖マリア学園 |
命令年月日 |
昭和52年11月16日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
賃上げ等についての組合からの団交申入れに対して、団交ルールの先議・制定に固執し、要求事項の団交を拒否したこと、学園施設の利用につき、従来の口頭届出を許可制にした事件で、誠意団交、学園施設等の利用につき許可制とすることによる支配介入の禁止及び誓約書の交付を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人学園は、申立人組合の申し入れる団体交渉について、団体交渉ルール制定の先議に固執してこれを拒否してはならず、また、団体交渉の場所、時間、交渉員等について自己の提示する条件にのみ固執することなく、誠意をもってこれに応じなければならない。 2 被申立人学園は学校施設等の利用について、申立人組合に許可願を強いるなどして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人学園は本命令交付後5日以内に、下記誓約書を申立人組合に交付しなければならない。 誓 約 書 当学園が貴組合の団体交渉申し入れに対し、団体交渉ルール制定の先議を口実としてこれを拒否しつづけるなど誠意をもってこれに応じなかったこと、及び学校施設利用について貴組合に許可願を強いたりしたことは、神奈川県地方労働委員会によって不当労働行為と認定されました。 ここに当学園の行為について深く反省し、今後再びこのような不当労働行為をしないことを固く誓います。 昭和 年 月 日 聖光学院教職員組合 執行委員長 X1 殿 学校法人 聖マリア学園 理事長 Y1 理 事 Y2 |
判定の要旨 |
2211 団交ルールの先議
学園が、学校という静かな教育の場で労使交渉を行いたくないという主張自体、団交に対する偏見であって、実際学園近くの会場で行われた3回の団交もその点何ら不都合はなかったのであるから学園の主張を一方的に組合に押しつけることは許されず、場所、時間、交渉員等きわめて制約的な交渉ルールを提案し、その合意が得られなければ組合の交渉事項の交渉に応じないとする学園の態度は、明らかに組合を忌避するものであって正当な理由とは認めがたい。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
学園が組合の要求する組合活動に関する議題については一切団交に応じないまま、労使の対立が深まってきた11月中頃、突然就業規則所定の様式を作成し、一方的に組合に対し会議室等の使用許可制を厳重に適用した措置は首肯しがたく、もとより施設管理権はまったく否定さるべきものではないにしても、管理上の必要性については特段の理由もないのに、規則の文言のみを楯として組合結成後まもなく従前の慣行に反して突如として規制をきびしく変更したことは、組合活動の抑制の意図から発生したものと推認せざるを得ない。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集62集482頁 |
評釈等情報 |
 
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