労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  クラブ阪神 
事件番号  大阪地労委 昭和50年(不)第117号 
申立人  日本音楽家労働組合 
被申立人  Y1 
命令年月日  昭和52年10月21日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  楽団員のリーダーであるX1を誓約書通りに楽団員を保持できないことを理由に解雇したこと、同解雇・昇給・欠員・夏季一時金の各問題の団交申入れに対して、雇用関係不存在を理由にこれを拒否したこと等をめぐる事件で、X1の原職相当職への復帰、バックペイ(年5分相当額の加算を含む。)、夏季一時金問題の団交応諾及び誓約書の手交を命じ、夏季一時金の支払いについては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人組合員X1に対し、次の措置を含め、昭和50年9月23日の解雇がなかったものとして取り扱わなければならない。
(1) 原職相当職に復帰させること
(2) 昭和50年9月23日以降、原職相当職に復帰するまでの間、同人が受けるはずであった賃金相当額及びこれに年率5分を乗じた額を支払うこと
2 被申立人は、申立人が被申立人に提出した昭和50年7月14日付け要求書のうち夏季一時金問題について、申立人と速やかに団体交渉を行わなければならない。
3 被申立人は、申立人に対して下記の文書を速やかに手交しなければならない。
              記
                    年 月 日
  申立人代表者あて
                被 申 立 人 名
 私は、貴組合の昭和50年7月14日付け要求書について団体交渉を拒否したことは、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。
4 申立人のその他の申立ては、棄却する。 
判定の要旨  2130 雇用主でないことを理由
X1らバンドマンはクラブ阪神の事業遂行上必要不可欠なものとして組織内に繰り入れられており、使用者であるY1の営業方針に基づき事実上一方的に決定した時間、場所等に従って、一定の報酬を得て専属的に演奏業務に従事しており、実質的にY1と使用従属関係が存在する以上、団交に応じる義務がある。

1102 業務命令違反
バンドリーダーであるX1を、契約通り楽団を保持できないとして解雇したことが不当労働行為であるとされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
夏季一時金支給を求める申立てが、従来夏季一時金制度がなかったことから、あらためて団交により協議決定すべきことであり、認容できないとされた例。

2244 特定条件の固執
楽団員の昇給等に関する団交について、ことさら就職時の誓約書に固執した態度等から誠意ある団交を行ったとは言えないとされた例。

4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
団交事項につき、X1の解雇は不当労働行為として、その取消しを命じており、また昇給と欠員問題はその後の事情変更により団交の開催を命じる必要がないとされた例。

業種・規模  娯楽業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集62集347頁 
評釈等情報   

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