労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  日本硝子 
事件番号  神奈川地労委昭和49年(不)第6号 
申立人  総評化学同盟全日本硝子製壜労働組合日本硝子労働組合連合会日本硝子川崎労働組合 
被申立人  日本硝子 株式会社 
命令年月日  昭和52年 7月 1日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  昇給査定で組合員を別組合員より低位に査定し、組合員6名を降(免)職した事件で、査定の是正・バックペイ及び降(免)職辞令の取り消し、ポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人組合員に対して、昭和48年度昇給における賃金査定額を、専門監督職Cに属する者については2ランク(1ランクは50円とする。以下同じ。)、技能一般職Aに属する者については5ランク、同じくBに属する者については3ランク、同じくDに属する者については2ランクそれぞれ増額是正するとともに、同年度昇給時以降の賃金差額(本給のほか、基準外手当、各一時金等にはねかえる分を含む。)を支払わなければならない。
2 被申立人は、申立人組合員X1、X2、X3、X4に対する昭和48年8月10日付の組長代理を免ずる旨の辞令及びX5に対する同日付のパトロールを免ずる旨の辞令をそれぞれ取り消し、同日以降もそれぞれの職位にあったものとして取り扱わなければならない。
3 被申立人は、本命令交付後1週間以内に縦1メートル、横2メートルの白紙に下記のとおり墨書し川崎工場の正面入口の見やすい場所に毀損することなく1週間これを掲示しなければならない。
              記
 当社は、昭和48年度昇給に際し、貴組合員に対し昇給査定差別を行い、また、昭和48年8月10日付人事異動に際しては、貴組合員X1君、X2君、X3君、X4君の組長代理の職を免じ、X5君のパトロール職を免ずる旨命令しました。これらは、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると神奈川県地方労働委員会により認定されました。
 当社としては、深く反省し、すみやかに是正措置をとるとともに今後このような不当労働行為を再びくり返さないことを誓約いたします。
 昭和 年 月 日
 総評化学同盟全硝労日硝労連日本硝子川崎労働組合
   執行委員長 X6 殿
            日本硝子株式会社
            代表取締役 Y1 
判定の要旨  3900 「不利益の範囲」
降(免)職されたことにより、仮に月額給与に差がなくとも、昇給査定の評価に影響するばかりでなく、同人らの精神的苦痛は計りえないから、経済的不利益はないとの会社主張は採用できない。

1202 考課査定による差別
組合員の昇給査定において別組合員より低く査定したことが不利益取扱いとされた例。

1301 出向
組合員6名を降(免)職させ、その代りに別組合員を充てたことが不利益取扱いとされた例。

1202 考課査定による差別
組合員の昇給査定において別組合員より低く査定したことが支配介入とされた例。

3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員6名を降(免)職させ、その代りに別組合員を充当したことが支配介入とされた例。

4415 賃金是正を命じた例
昇給の組合間差別において、職群別昇給方式をとっているので各職群ランク別の是正を命じた例。

4400 原職相当職への復帰を命じたもの
4404 復帰後の労働条件等
降(免)職の救済として、同辞令を取り消し、それぞれの職位にあったものとして取り扱わなければならないと命じた例。

業種・規模  化学工業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集62集54頁 
評釈等情報   

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