労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪事務能率 
事件番号  大阪地労委昭和49年(不)第47号 
申立人  日本労働組合総評議会全国金属労働組合大阪地方本部大阪事務能率支部 
被申立人  大阪証券金融 株式会社 
被申立人  大阪事務能率 株式会社 清算人 Y1 
命令年月日  昭和52年 4月19日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  組合非難の文書を組合員宅に送付、賃金遅配、会社の受注量の減少、警察官を社屋内に導入、出向役員を交渉員とする、課長が車で組合員を監視、会社の 100%出資会社D社が団交を拒否等をめぐる事件で、文書の送付及び賃金遅配に関し文書の手交を命じ、その他は棄却した。 
命令主文  1 被申立人大阪事務能率株式会社は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
              記
                    年 月 日
   申立人組合代表者あて   大阪事務能率株式会社
                 代 表 者 名
 当社は、下記の行為を行いましたが、これらの行為は労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。
              記
(1) 貴組合員の家庭に、「従業員の皆さんへ」と題する文書を送付したこと
(2) 貴組合員には、資金がないとして賃金遅配等をする一方で、退職者にせん別金を支給したこと
2 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  2621 個別的示唆・説得・非難等
一時金交渉において有額回答をせず、暫らくの間団交には応じないと通告したため、それへの対抗上組合が出荷拒否を行ったものであり、また会社再建策には時間外労働への協力等が含まれているため組合が反対したものであることからこれら組合の態度を非難する文書を組合員の家庭に送付した会社の行為は支配介入である。

1201 支払い遅延・給付差別
退職者には規定のないせん別金を支払いながら組合員への賃金を遅配させたことが不当労働行為とされた例。

2123 その他交渉出席者
関係会社から2名を営業担当者として受け入れ、団交に出席させようとしたことは不当労働行為とは認められないとされた例。

2301 人事事項
会社の100%出資会社であるD社が、会社が関連会社から受入れた出向社員2名に関する団交を拒否したことが不当労働行為でないとされた例。

2400 その他
会社の100%出資会社であるD社の団交当事者適格問題は団交事項に親しまないとされた例。

3106 その他の行為
受注量の減少は、会社が組合組織の弱体化を企図して意図的になしたものとは認められないとされた例。

3106 その他の行為
使用者が警察官の社屋内立入りを要請しようとしたのは、組合員に不穏当な行為があったためで、使用者を責めることはできないとされた例。

3100 スパイ
深夜、会社社屋周辺に居た多数の組合員の様子を車中からみていたことが不当労働行為でないとされた例。

4820 単一組織の支部・分会等
組合は暴力集団であり、申立人適格を欠くとの会社主張が採用されなかった例。

4916 企業に影響力を持つ者
会社の100%出資会社であるD社は本件について使用者責任があるとされた例。

業種・規模  情報サービス・調査業(ソフトウェア業等)、広告業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集61集435頁 
評釈等情報   

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