概要情報
事件名 |
東京12チャンネル |
事件番号 |
東京地労委昭和51年(不)第73号
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申立人 |
民放労連東京12チャンネル労働組合 |
申立人 |
日本民間放送労働組合連合会 |
申立人 |
日本民間放送労働組合連合会関東地方連合会 |
被申立人 |
株式会社 東京12チャンネル |
命令年月日 |
昭和52年 1月18日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
長期アルバイト、番組契約者および下請労働者の正社員化、番組契約者および部長以下の職制労働者に対する労働基準法の適用、組合員の昇格および考課内容基準の明示、夏期保養施設の設置等についての団交申入れを、団交事項でないなどを理由に拒否した事件で、誠意ある団交応諾を命じ、部長への労働基準法の適用等及びポスト・ノーティスについては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社東京12チャンネルは、申立人民放労連東京12チャンネル労働組合から、(A)昭和51年2月17日、(1)長期アルバイト、番組契約者および下請労働者の正社員化、(2)番組契約者に対する労働基準法の適用および(3)副部長以下の職制労働者に対する労働基準法の適用について、(B)同年3月8日、(1)組合員の昇格および考課の内容基準の明示、(2)人事同意約款締結要求、(3)出張旅費、慶弔金、住宅資金貸付金および食堂への補助金の増額、および(4)シフト勤務についての事前協議について、(C)同月12日正社員の増員についておよび(D)同年6月4日夏季保養施設の設置について申入れを受けた団体交渉を、申入れにかかる事項が団体交渉事項でないとか、受け容れられないなどといって、これを拒否してはならず、誠意をもってそれらの団体交渉に応じなければならない。 2 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2301 人事事項
採用は一般に使用者の専権に属するが、組合が団交を申入れた長期アルバイト・番組契約者の正社員化問題は、組合員の労働条件の向上を図ろうとするものであり、下請業者従業員の社員化要求は、業務を下請業者に委託するか、社員で実施するかは、組合員の雇用機会の増減と密接に関連する事項であり、団交事項に該当すると解するのが相当である。
2242 回答なし
番組契約者は組合に加入しており、現に会社の職場で就労しているから、それらの労働者に対する労働基準法適用と労働条件の向上についての団交申入れを、団交事項でないとして拒否したことは不当労働行為である。
2300 賃金・労働時間
職制労働者(部長以下)に対する労基法の適用、勤務手当支給要求については、副部長には組合員もいることであるから、副部長以下については、団交事項となる。しかし部長は組合員ではないから、本件団交は、部長に対する支給要求を除外し、副部長以下に関する支給要求に限って行なわれるべきものと判断する。
2301 人事事項
昇格の基準の設定、具体的な適用は、当然に団交事項になるとされた例。
2301 人事事項
従業員の採用、配置が会社の専権事項であるとして団交を拒否したことが不当労働行為とされた例。
2303 福利厚生
保養所の設置、利用について団交事項となりえないとして拒否したことが不当労働行為とされた例。
4823 上部団体
上部団体にも、下部組合のために会社に対して、下部組合との団交応諾を求める適格があるとされた例。
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業種・規模 |
放送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集61集86頁 |
評釈等情報 |
 
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