概要情報
		
			
				| 事件名 | 近畿放送 | 
			
				| 事件番号 | 京都地労委昭和48年(不)第4号 
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				| 申立人 | 近畿放送労働組合 | 
		
			
				| 被申立人 | 株式会社  近畿放送 | 
			
				| 命令年月日 | 昭和51年11月16日 | 
			
				| 命令区分 | 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) | 
			
				| 重要度 |  | 
			
				| 事件概要 | 昇格および資格の付与についての組合間差別をめぐる事件で、本件昇格差別を継続する行為と認め、それぞれ遡及して昇格および資格付与、バックペイ及びポスト・ノーティスを命じ、不作為命令については棄却した。 | 
			
				| 命令主文 | 1 被申立人は、申立人組合の組合員X1、同X2をそれぞれ昭和42年2月15日付で課長に、昭和46年10月1日付で副部長に昇格させ、かつ、昭和45年4月1日付で副参事の資格を付与し、同X3を昭和46年10月1日付で課長に、昭和49年10月1日付で副部長に昇格させ、かつ、昭和49年10月1日付で副参事の資格を付与し、同X4を昭和46年10月1日付で課長に、昭和47年10月1日付で副部長に昇格させ、かつ、昭和47年10月1日付で副参事の資格を付与し、同X5、同X6、同X7、同X8をそれぞれ昭和46年10月1日付で課長に昇格させ、昭和49年10月1日付で副参事の資格を付与し、同X9を昭和49年10月1日付で課長に昇格させ、同X10、同X11をそれぞれ昭和46年10月1日付で主任に昇格させ、同X12、同X13をそれぞれ昭和47年10月1日付で主任に昇格させるとともに、上記それぞれの昇格並びに資格付与の日以降同人らがそれぞれの地位、資格に基づいて受けるべきはずの諸給与相当額を支払わなければならない。ただし上記の各昇格並びに資格付与が行われるまでの間現実に支払われた額を控除するものとする。 2 被申立人は、下記内容の文章を縦1メートル、横1.5メートルの模造紙に墨書し、被申立人会社内の従業員が見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
 記
 会社は、貴組合の活動を嫌悪し、貴組合の組合員に対し過去数年間にわたり、年次の昇格、資格付与についてこれを遅らせ、昇格及び資格付与上二重の差別取扱いをしたことは不当労働行為であったことを認め、今後かかる行為はいたしません。
 以上、京都府地方労働委員会の命令により誓約いたします。
 昭和  年  月  日
 近畿放送労働組合
 執行委員長 X6 殿
 株式会社近畿放送
 代表取締役 Y1
 3 申立人のその余の請求を棄却する。
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				| 判定の要旨 | 1200 降格・不昇格 2900 非組合員の優遇
 3700 使用者の認識・嫌悪
 昇格等差別につき組合が救済を求めている課長、副部長の実態は、業務遂行上の指揮監督権限を有する者というよりも処遇上の地位であるとみるのが相当であり、また、副参事、主事等の資格の付与も手当を受ける地位にすぎないものと認められるところ、組合員のほとんどが他の従業員に比べ低位に格付けされ、特に本件で救済を求めている組合員13名については、同時入社の者に比べ著しく不均衡であり、また、会社が本件昇格等の差別につき首肯し得る立証をなし得ないことからして、本件昇格等差別の真の理由は、同人らの活発な組合活動を嫌悪してなしたものである。
 
 4418 継続する行為を認めた例
 5201 継続する行為
 仮に昇給昇格の時期毎に昇給昇格の作為がなされても、それ以前に行われた昇格差別が是正されない限り、昇給昇格の時期ごとに同一の不当労働行為を反復継続しているのであり、また、同一の不当労働行為意志に基づく行為で、その行為が同種であり、反復性があり、しかも反復の期間がほぼ一定しているような場合にそれぞれの行為の間に不可分性を認めこれを継続する行為と解することを否定しなければならない理由はなく、本件の場合昇格が毎年行われているのであるから、本件昇格差別は正に「継続する行為」に該当するものと解するのを相当とする。
 
 4419 現存格差を一挙に是正した例
 昇格及び資格付与に関する救済措置として、救済を求めている者と、同じ年に社員になった者のうち、最も遅い昇格者と同じ時期に昇進したものとして、あるいは昇格についての推せん基準等を考慮してそれぞれ昇格時期、是正すべき格付内容を具体的に命じた例。
 
 
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				| 業種・規模 | 放送業 | 
			
				| 掲載文献 | 不当労働行為事件命令集60集126頁 | 
			
				| 評釈等情報 | 労働経済判例速報 昭和52年 1月30日  935号(28巻 2号)  9頁  
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