概要情報
事件名 |
日野車体工業 |
事件番号 |
石川地労委昭和50年(不)第1号
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申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部 |
申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部日野車体工業支部 |
被申立人 |
日野車体工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和51年10月 1日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合支部委員長ら3名を配転し雑役業務に従事させた事件で、うち2名については配転命令取消し・原職復帰を、委員長については誓約文の交付及び掲示と命令の履行報告を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合支部副執行委員長X1に対し、昭和49年6月5日付で発令した製造部部品課トラック側板製作係から総務部総務課への配置転換命令及び昭和50年8月29日付で発令した製造部製造2課塗装係への配置転換命令を取消し、原職に復帰させること。 2 被申立人は、申立人組合支部青年婦人部副部長X2に対し、昭和49年6月5日付で発令した管理部工務2課から製造部4課3係2組への配置転換命令を取消し、原職に復帰させること。 3 被申立人は、申立人組合支部執行委員長X3に対し、昭和49年6月5日から昭和50年8月6日までの間、総務課においてゴミ収集作業を主とする雑役業務を命じたことは不当労働行為であることを認める旨の下記文書を、本命令書到達後7日以内に申立人のそれぞれに交付するとともに、同文を縦1メートル、横1.5メートル以上の白紙に墨書し、工場内の従業員の常時出入りする場所2カ所に10日間継続して掲示すること。 記 会社は、貴組合のX3に対し、諸種の雑役業務を命じたことは不当労働行為であることを認め、今後再びこのような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 昭和51年 月 日 日野車体工業株式会社 代表者 代表取締役 Y1 総評全国金属労働組合石川地方本部 執行委員長 X4 殿 総評全国金属労働組合石川地方本部日野車体工業支部 執行委員長 X3 殿 (注:年月日は掲示した初日を記載すること。) 4 被申立人は、上記1、2、3の命令実施後、その履行状況をすみやかに当委員会に文書をもって報告すること。 5 申立人のその余の請求は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
4416 将来にわたる不作為を命じた例
検査課から総務課へ配転された組合委員長は救済申立後ゴミ収集作業から製造部へ配転となり、組合は請求内容のうち同人の原職復帰を求める部分を撤回したが、本件のように転々と配転がなされるときは原状回復により過去の差別的不利益取扱が常に一切治癒されているとすることはできず、特に今後かかる行為を繰り返さない旨の誓約を会社に対して要求することとした。
1300 転勤・配転
事務職員である支部副部長X2を女子作業員不足を理由に製造部門に配転し雑役作業をさせたことが不利益扱いとされた例。
1300 転勤・配転
機械修理工である副組合委員長を営繕係に配転して雑役労働を担当させ、その後さらに塗装係に配転したことが不利益扱いとされた例。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集60集33頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1977年 2月 1日 264号 81頁 
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