労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  県都交通 
事件番号  岩手地労委昭和49年(不)第4号 
申立人  県都交通労働組合 
被申立人  県都交通  有限会社 
命令年月日  昭和51年 9月24日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  職務怠慢、職場規律違反、無断欠勤等を理由に執行委員3名を休職処分、出勤停止処分あるいは懲戒解雇処分に付し、処分撤回等に関する団交申入れを拒否し、さらに組合員に新車を割当てなかった事件で、各処分の取消し、バック・ペイ、団交応諾及び陳謝文の掲示を命じた。 
命令主文  1 被申立人はX1に対し、昭和49年4月15日付懲戒休職3ケ月及び昭和49年7月15日付懲戒休職35日延長の処分を取消し、その間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
2 被申立人はX1に対し、昭和49年8月18日から昭和50年3月20日までの間就労拒否がなかったものとして扱い、その間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
3 被申立人はX1に対し、すでに取消された昭和50年3月21日付懲戒解雇処分によって就労しなかった期間(昭和50年3月21日から昭和50年5月29日まで)に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
4 被申立人は、X2及びX3に対し、すでに取消された昭和49年4月28日付の7乗務期日出勤停止処分によって就労しなかった期間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
(注)上記1から4までの賃金相当額の計算は次の方法による。
(1) 各処分の行なわれた日以前3ヵ月間に各人に支給された賃金の総額を、その期間中に労働した時間数で除した額に、処分がなければ労働したであろう時間数を乗じた額とすること。
(2) 前記(1)算定期間中に処分によって賃金が支給されなかった時間が含まれる場合には、その時間の賃金相当額は前記(1)の算定方法により算出した額とすること。
(3) ただし、上記1の休職期間中、免許停止期間35日分の賃金相当額の計算は、先例によるものとすること。
5 被申立人は、申立組合が昭和49年4月29日申入れた団体交渉に誠実に応じなければならない。
6 被申立人は、下記謝罪文を縦50センチメートル、横1メートルのベニヤ板に墨書し、本命令書交付の日から10日間本社事務所及び本宮営業所の従業員の見やすい場所に掲示しなければならない。
                記
             謝  罪  文
 当社は、昭和49年4月15日X1を懲戒処分にするなど5件の懲戒処分を行ったこと、同月29日の組合申入れの団体交渉を拒否したこと、新車割当について組合員と敬老タクシーを差別したことなど不当労働行為をおかしたことを謝罪し、今後一切かかる行為を行わないことを誓約いたします。
   昭和 年 月 日
           県都交通有限会社
             代表者 代表取締役 Y1
 県都交通労働組合
  代表者 執行委員長 X2 殿 
判定の要旨  0500 勤務成績不良
会社の就労拒否に正当理由が認められない以上、そのために長期間勤務しなかった執行委員Sを無断欠勤として懲戒解雇したことが不利益扱いとされた例。

1302 就業上の差別
1401 労務の受領拒否
執行委員X1に配車もせず、組合ビラ撤去等を就労条件とし、それを履行しないことを理由に同人の就労を拒否したことが不当労働行為とされた例。

1302 就業上の差別
2900 非組合員の優遇
組合員に対して新車を割当てなかったことが不利益扱いとされた例。

1400 制裁処分
職務怠慢、無通告の争議行為等のそそのかし、乗客に対する暴言等を理由に組合役員らを懲戒休職処分あるいは出勤停止処分に付したことが不利益扱いとされた例。

2245 引き延ばし
組合からの春闘要求等に関する団交の申入れを社長の入院、資料作成のため等を理由に拒否したことが不当労働行為とされた例。

3700 使用者の認識・嫌悪
組合員に対して新車を割当てなかったことが会社の一連の組合嫌悪、組合無視の態度から不利益扱いとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集59集300頁 
評釈等情報   

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