労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  九重運輸 
事件番号  神奈川地労委昭和49年(不)第18号 
申立人  X1 
申立人  全国自動車運輸労働組合神奈川地方本部 
被申立人  九重運輸 株式会社 
命令年月日  昭和51年 9月17日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  組合結成準備中のX1を同僚に対する暴行行為を理由に解雇し寮を閉鎖し、上部団体からの脱退を勧奨した事件で、解雇取消し・原職復帰・バック・ペイ、支配介入の禁止、及びポスト・ノーティスを命じ、陳謝文の手交は棄却した。 
命令主文  1 被申立人九重運輸株式会社は、申立人X1に対する昭和48年9月1日付解雇の意思表示を取消し、同申立人を原職に復帰させるとともに同申立人に対し昭和48年9月分以降の賃金(一時金を含む)相当額を支払わなければならない。
2 被申立人九重運輸株式会社は、申立人全国自動車運輸労働組合神奈川地方本部に対して誹謗中傷し、被申立人会社従業員が申立人組合に加入し、又は組合員が組合活動をなすことを妨害し、組合員を組合から脱退させる工作をなす等の行為により申立人組合の運営に支配介入をしてはならない。
3 被申立人九重運輸株式会社は、縦1メートル以上、横2メートル以上の白色木板に下記のとおり明瞭に墨書し、被申立人会社正面入口の見易い場所に毀損することなく14日間これを掲示しなければならない。
                記
 会社は昭和48年9月1日貴組合員X1氏を解雇しましたが上記解雇はX1氏の組合活動を嫌悪し且同氏の組合活動の結果会社従業員が貴組合に加入するに至ることを恐れ同氏を企業外に排除したものとして、今般神奈川県地方労働委員会から労働組合法第7条に違反する不当労働行為である旨認定されました。
 また会社が貴組合を誹謗中傷し、会社従業員の組合加入、その他組合員の組合活動を妨害した一連の行為が前同様不当労働行為に該たる旨、上記労働委員会によってあわせて認定されました。
 よって会社はここに陳謝の意を表するとともに、X1氏に対しては解雇の意思表示を取り消して原職に復帰させ、さらに将来上記労働委員会指摘のような不当労働行為を再び繰り返さないよう充分注意することを誓約します。
    昭和 年 月 日
          X1 殿
  全国自動車運輸労働組合神奈川地方本部
     執行委員長 X2 殿
             九重運輸株式会社
                代表取締役 Y1 
判定の要旨  0600 暴力行為
0800 経歴詐称
職場における暴力行為、経歴詐称等を理由とする申立人X1の解雇は、同人が組合に加入しようとしたことを嫌悪してなした不当労働行為とされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2625 非組合員化の言動
取締役らが非組合員X3に組合加入を思い止まらせるような趣旨の発言をしたことが支配介入とされた例。

1601 福利厚生上の差別
3020 組合活動への制約
申立人X1が被解雇後も組合活動を続けるため利用していた会社寮を閉鎖したことが支配介入とされた例。

2623 脱退届け作成・提出強要
3100 スパイ
会社の庶務係Y1が組合員3名に組合脱退届を作成させこれを組合に郵送したこと、また組合主催のハイキングを尾行したことが支配介入とされた例。

3411 その他の従業員の言動
会社の庶務係Y1が組合員3名に組合脱退届を作成させこれを組合に郵送した行為、組合主催のハイキングを尾行した行為が会社の命による支配介入とされた例。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集59集253頁 
評釈等情報   

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