労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  桜井建築設備研究所 
事件番号  大阪地労委昭和48年(不)第68号 
大阪地労委昭和48年(不)第86号 
申立人  全日本港湾労働組合関西地方本部 
被申立人  株式会社 桜井建築設備研究所ほか11社 
命令年月日  昭和51年 9月 3日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  経営悪化を理由に自己破産を申立て分会員全員を解雇した事件で、陳謝文の手交を命じ、原職又は原職相当職への復帰及びその間の賃金相当額の支払いについては棄却し、企業分割により設立された関連会社の被申立人11社に対する申立てについては被申立人適格を欠くとして却下した。 
命令主文  1 被申立人株式会社桜井建築設備研究所は、申立人に対し下記の文書を手交しなければならない。
                記
                       年 月 日
    申立人組合代表者あて
             株式会社桜井建築設備研究所
               代表取締役 Y1
 当社が、昭和48年10月25日、東京地方裁判所に対し自己破産の申立てを行ったことを理由に、同年11月10日付で貴組合建設支部桜井分会の分会員全員を解雇したことは、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝いたします。
2 申立人の被申立人株式会社建築設備センター、同株式会社中部桜井設計、同株式会社近畿桜井設計、同株式会社西部桜井設計、同株式会社建築技術計画、同株式会社総合設備計画、同株式会社建築設備計画、同株式会社設備技術コンサルタント、同株式会社中央設備コンサルタント、同株式会社西部設備研究所及び同株式会社桜井設計システムズに対する申立ては、これを棄却する。
3 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  1800 会社解散・事業閉鎖
自己破産申立てに至った経営悪化の理由は事業経営を放棄したと同様の状態であった会社の経営態度によるものであり、一方、分会のスト解除後もロックアウトを続け、賃金を支払わず、一時金等の団交も拒否し、更に会社分割案で分会員と非分会員との分断を企図する等会社が分会の存在を嫌悪していたことが認められるので本件解雇は会社が破産申立てによって労使関係を法律的に終結させる意図で行った不当労働行為である。

4000 退職金等の受領
4614 文書手交のみを命じた例
組合及び分会が破産管財人と和解し、申立人は解雇予告手当及び退職金等を受領し、管財人に関する申立ての部分を取下げていることから、分会員と管財人との労働契約は終了しているが、会社に関しては和解に関する覚書において争うことを管財人も認めている以上、本件申立ての利益がすべて消滅したとはいえないとして会社に対して陳謝文の手交を命じた。

4909 事業分離後の新企業体
被申立人たるS社以外の11社は事業活動が存在しないものあるいはS社との間に資本・業務面で実質的同一性が認めがたいもの等でいずれも被申立人適格はないとされた例。

業種・規模  建設業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集59集217頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]