概要情報
事件名 |
丸石 |
事件番号 |
大阪地労委昭和49年(不)第105号
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申立人 |
総評全国一般大阪地連丸石労働組合 |
被申立人 |
丸石 株式会社 |
命令年月日 |
昭和51年 7月30日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
企業継続、現行賃金保障等を内容とする協定の不履行、夏季一時金の一部・年末一時金及び賃金の不支給、会社敷地の売却契約を結んだ第三者であるD建設役員等の組合解散等を求める言動をめぐる事件で、協定の誠実履行、未払い賃金並びに夏季一時金未払分及び年末一時金(いずれも未払金に対する年5分の割合による金員を含む)の支払い、及び陳謝文の手交を命じ、賃金及び一時金についての団交開催、第三者たるD建設役員等を従業員へ採用することを禁止する請求については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人との間で締結した昭和49年4月8日付け協定及び同年6月22日付け協定を誠実に履行しなければならない。 2 被申立人は、申立人組合員に対して、昭和49年12月分以降の賃金並びに同年12月20日付け確認書に基づく同年夏季一時金未払分及び同年年末一時金(いずれも、既に支払った金額を除き、その未払金に対する年5分の割合による金額を含む)を支払わなければならない。 3 被申立人は、下記陳謝文を申立人に速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 申立人代表者あて 被申立人代表者名 当社は、第三者をして貴組合の解散を求めさせるなど貴組合の自主的運営に介入しました。 このような当社の行為は、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 4 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
3105 事業廃止、工場移転・売却
会社敷地を市に売却した会社の行為は直ちには不当労働行為とは言い難いが、会社敷地売買の事実を明らかにした際、組合から抗議をうけ、結局企業継続を内容とする協定、更に、土地売買の白紙撤回、従前の諸協定の厳守等を内容とする協定を労使間で締結し、しかも現に残されている倉庫だけでは事業の縮小が明らかであるのに、代替地を捜す等事業継続の積極的な努力をしない会社の態度は組合の消滅を企図した不当労働行為である。
1201 支払い遅延・給付差別
団交で一時金等の支給確認書が作成されているのに、社長がその支払を拒み、更に、賃金の支払をも拒否していることが不当労働行為とされた例。
2613 使用者と取引関係者の言動
2620 反組合的言動
3421 使用者と取引関係者の言動
会社敷地の売買契約者である第三者のD社等が社長の委任を受け、あるいは意を体して、組合の解散を求める言動を行ったことが、会社が責任を負うべき支配介入とされた例。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
夏季一時金未払分及び年末一時金に年5分の金員の付加を命じた例。
5008 その他
不当労働行為を行った第三者たるD社の現あるいは元役員等であった者が会社の役員等になることを禁止する救済申立については労働委員会が関与すべき事項ではないとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集59集116頁 |
評釈等情報 |
 
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