概要情報
事件名 |
日野車体工業 |
事件番号 |
石川地労委昭和50年(不)第4号
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申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部日野車体工業支部 |
申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部 |
被申立人 |
日野車体工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和51年 6月30日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
女子組合員X1を総務課テレックス係から現場部門へさらに総務課へ配転させて草刈り作業や清掃車の運転を命じた事件で、前々職への復帰、誓約書の交付、ポスト・ノーティス及び命令の履行状況報告を命じ、誓約文の広告掲載については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、申立人組合員X2に対し、昭和50年 9月 1日以降実施を命じているスイーパーの運転による清掃作業をとりやめ、原職である総務部総務課のテレックス係に復帰させること。 2. 被申立人は、申立人組合員X2に対し、昭和50年 6月10日から同年 9月 1日まで草刈り作業を命じたこと、及び同年 9月 1日以降スイーパー運転による清掃作業を命じたことは不当労働行為であることを認める旨の下記文書を、本命令書到達後7日以内に申立人のそれぞれに交付するとともに、同文を縦1メートル、横 1.5メートル以上の白紙に墨書し、工場内の従業員の見やすい場所2ヵ所に10日間継続して掲示しなければならない。 記 会社は、貴組合のX2組合員に対して草刈り作業及びスイーパーの運転による清掃作業を命じたことは不当労働行為であることを認め、原職の総務課テレックス係に復帰させるとともに、今後再びこのような行為を繰り返さないことを誓約します。 昭和51年 月 日 日野車体工業株式会社 代表者 代表取締役 Y1 総評全国金属労働組合石川地方本部 執行委員長 X3 殿 総評全国金属労働組合石川地方本部日野車体工業支部 執行委員長 X4 殿 (注:年月日は掲示した初日を記載すること) 3. 被申立人は、上記 1、2 の命令実施後、その履行状況をすみやかに当委員会に文書をもって報告しなければならない。 4. 申立人のその余の請求は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
女子組合員X2がテレックス係員として長期間、同一業務にたずさわっていた事実は、会社も適材適所と認めていたことを示すもので、その仕事が半ば専門化していたとみるべきであって、現場への配転に合理的理由はなく、従来、臨時雑役人夫にさせていた草刈を同人に継続的に行わせ、その後、産業用清掃車の運転に連日従事させたことは不利益扱いである。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
再三にわたる配転が著しく妥当性を欠く場合、その原状回復に当っては特に誓約書の交付と掲示を原職復帰に併せて命ずることが相当であるとされた例。
4400 原職相当職への復帰を命じたもの
総務課テレックス係から現場部門へ、さらに総務課の雑役への配転が一体として不当労働行為と認められる場合の原職は総務課テレックス係と解するのが妥当であるとされた例。
4823 上部団体
支部組合員の地本加盟が確認されないから、地本は申立適格を欠くとの会社主張が斥けられた例。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集690頁 |
評釈等情報 |
 
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