概要情報
事件名 |
ブラザー陸運 |
事件番号 |
愛知地労委昭和49年(不)第20号
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申立人 |
全国自動車運輸労働組合ブラザー陸運支部 |
被申立人 |
ブラザー陸運 株式会社 |
命令年月日 |
昭和51年 6月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合分裂直後において、組合役員名簿の不提出等を理由に団交を拒否し、申立人組合員のみに職場待機を命じ、職制が組合員の親族を通じて組合脱退を勧奨し、待機命令解除後長距離運行業務について、新、旧組合員を同乗させず、安全運転教育としての適性診断受講の業務命令を拒否し職場で待機していた組合員に始末書の提出とその間の時間に対応する賃金カットを行った事件で、親族を通じての組合脱退勧奨の禁止を命じ、団交拒否、職場待機、長距離運行業務同乗及び適性診断受講拒否については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人ブラザー陸運株式会社は、申立人全国自動車運輸労働組合ブラザー陸運支部の役員に対して、その親族を通して同組合からの脱退を勧奨してはならない。 2. 申立人のその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
運転手に対する安全運転教育の受講を命ずる業務命令を拒否し、その間待機していた支部組合員に対して当該時間に対応する賃金カットを行ったことが不当労働行為でないとされた例。
1302 就業上の差別
組合分裂直後、トラックの長距離運行業務に両組合員を同乗させなかったことが、両組合員の離反をはかったものとはいえないとされた例。
1302 就業上の差別
組合分裂直後の3日間、新労組合員に対してのみ職場待機を命じ仕事をさせなかったことが不当労働行為でないとされた例。
1400 制裁処分
運転手に対する安全運転教育の受講を命ずる業務命令を拒否し、その間待機していた支部組合員に対して、始末書の提供を求めたことが不当労働行為でないとされた例。
2210 組合員名簿・組合規約不提出
別組合からの脱退者で結成された支部組合からの団体申入れに対して、組合役員名簿等の提示を条件としたことが不当労働行為とはいえないとされた例。
2246 併存団体との関係
別組合からの脱退者で結成された支部組合からの団交申入れに対して、別組合との間に締結されたユ・シ協定の解釈に疑義があるとして態度を保留したことが不当労働行為とはいえないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社職制らが支部組合委員長の息子を通じ、同人を組合から脱退させようとしたことが支配介入とされた例。
2612 従業員の親族・保証人・友人の言動
2620 反組合的言動
副委員長の兄の影響力を利用して同人を組合から脱退させようとしたことが支配介入とされた例。
4601 「抽象的不作為命令」を命じた例
会社の支部組合役員に対する組合脱退勧奨に関して将来にわたる不作為を命じた例。
5002 不作為命令または不確定な内容の請求
抽象的不作為命令を求める救済申立は不適法な申立であるから却下すべきであるとの会社主張が認められなかった例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集672頁 |
評釈等情報 |
 
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