労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  一富士 
事件番号  大阪地労委昭和49年(不)第2号 
申立人  総評大阪一般合同労働組合 
被申立人  株式会社 一富士 
命令年月日  昭和51年 4月 9日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  給食業務委託契約を解除し、組合副支部長を配転した事件で、配転命令がなかったものとして取扱い、給食業務委託契約を締結した上で食堂を再開すること、契約不成立の場合は同人が希望する事業所の原職相当職へ配転すること及び陳謝文の手交を命じた。 
命令主文  1. 被申立人は、X1に対する昭和48年10月20日付け配置転換命令がなかったものとして取扱わなければならない。
2. 被申立人は、速やかにO.L.Bクラブとの間に給食業務の委託に関する契約を締結した上、大阪労働金庫事業所を再開しなければならない。
ただし、上記契約が本命令書受領の日から1ヵ月以内に成立しない場合は、被申立人は、X1が希望する事業所の原職相当職へ配置転換しなければならない。
3. 被申立人は、下記陳謝文を速やかに申立人に手交しなければならない。
            記
                   年 月 日
    申立人代表者あて
                  被申立人代表者名
 当社は、昭和48年10月20日、大阪労働金庫事業所を閉鎖しましたが、この行為は労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰返さないことを誓約します。 
判定の要旨  3105 事業廃止、工場移転・売却
会社が採算がとれない等を理由に、労働金庫の共済団体との間の給食業務の委託契約を解除し食堂を閉鎖したことは、委託契約の相手方が契約継続のための話合いを求めたのに応じなかったこと、組合役員ら2名に委託契約解約の理由を明らかにしなかったことからみて、同人らの勤務地で組合の拠点となっていた当該事業所を閉鎖せんとしてなした支配介入行為である。

4603 その他
事業所閉鎖の救済としては、当該事業所へは従業員2名が派遣されているに過ぎず、その運営に要する施設、什器等の付属品は無償で契約の相手方会社より貸与され、利用者も一定しており、取引関係の復活や信用の回復等が容易になしうる条件があること、また、委託契約の相手方当事者は、会社との委託契約の再締結を希望していることから、委託契約の締結を条件として当該事業所の再開を命じるのが妥当であり、同事業所の再開が不能の場合には、同人らが希望する事業所の原職相当職へ配転することが適当と思われる。

1300 転勤・配転
不採算を理由に組合支部の拠点であった事業所を閉鎖し、組合支部長らを別個の事業所に配転したことが不利益扱いとされた例。

5008 その他
事業所再開を命じることが会社の営業の自由を侵害するとの会社主張が排斥された例。

業種・規模  食料品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集58集461頁 
評釈等情報   

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