概要情報
事件名 |
日本ファイリング製造 |
事件番号 |
千葉地労委昭和49年(不)第6号
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申立人 |
総評合化労連東京合同労組日本ファイリング支部 |
被申立人 |
日本ファイリング製造 株式会社 |
命令年月日 |
昭和51年 3月23日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
48年度冬期手当、49・50年度賃金改訂及び各期末手当、48・49年度各年間期末手当精算金等の考課査定について組合間差別をした事件で、地労委が特定した考課ランクでの各是正とその差額支給、誓約書の手交及びポスト・ノーティスを命じ、申立て後組合を脱退した1名に関する申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は別表1乃至24に記載の申立人の組合員に対し、下記各賃金、期末手当及び年間期末手当精算金について、次のとおりの各金額を支払わなければならない。 (1) 昭和49年度及び昭和50年度の各賃金改訂について、各年度賃金改訂における本給に対する考課ランクを5 (昇給幅1.0)に是正し、該各賃金を再計算した額と既払各賃金額との差額。 (2) 昭和48年度冬季、昭和49年度夏季、同冬季及び昭和50年度夏季の各期末手当について、昭和48年度、昭和49年度及び昭和50年度の各本給に対する考課ランクを5 (昇給幅0.1)として各年度の本給を是正の上、上記各期末手当の考課乗率を 1.0に是正し、該各期末手当を再計算した額と既払各期末手当との差額。 (3) 昭和48年度及び昭和49年度の各年間期末手当精算金について、昭和48年度及び昭和49年度の各本給に対する考課ランクを5 (昇給幅1.0)として各年度の本給を是正し、かつ昭和48年度夏季、同冬季、昭和49年度夏季及び同冬季の各期末手当に対する考課乗率を 1.0として各年度期末手当の年間支給額を是正の上、該各年間期末手当精算金を再計算した額と既払各年間期末手当精算金との差額。 2. 被申立人は1の(1)乃至(3)につき前記申立人の組合員の従来の考課ランク及び考課乗率を同人らに不利益に変更してはならない。 3. 被申立人は申立人に対し、この命令書交付の日から3日以内に、下記のとおりの誓約を手交し、かつ陳謝文を被申立人の松戸工場正門の従業員の見易い場所に、縦1メートル、横2メートルの白色木板一面に楷書で墨書して、10日間掲示しなければならない。 記 誓 約 書 当社が貴組合の組合員に対して行った、昭和49年度及び昭和50年度の各賃金改訂、昭和48年度冬季、昭和49年度夏季、同冬季及び昭和50年度夏季の各期末手当並びに昭和48年度及び昭和49年度の各年間期末手当精算金の各支給について、貴組合の組合員を申立外組合の組合員に比べて、考課ランク及び考課乗率を低く査定し、格差をつけて支給したことは、当社が貴組合及び貴組合員を嫌悪して貴組合員を経済的に差別待遇し、かつ貴組合の組織を弱体化させることを意図して行った不利益取扱い及び支配介入行為であり、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると千葉県地方労働委員会において認定されました。 当社は今後再びこのような不当労働行為を行わないことを誓約いたします。 昭和 年 月 日 日本ファイリング製造株式会社 代表取締役 Y1 総評合化労連東京合同労組日本ファイリング支部 執行委員長 X1 殿 陳 謝 文 当社が貴組合の組合員に対して行った、昭和49年度及び昭和50年度の各賃金改訂、昭和48年度冬季、昭和49年度夏季、同冬季及び昭和50年度夏季の各期末手当並びに昭和48年度及び昭和49年度の各年間期末手当精算金の各支給について、貴組合の組合員を申立外組合の組合員に比べて、考課ランク及び考課乗率を低く査定し、格差をつけて支給したことは、当社が貴組合及び貴組合員を嫌悪して貴組合員を経済的に差別待遇し、かつ貴組合の組織を弱体化させることを意図して行った不利益取扱い及び支配介入行為であり、労働組合法第7条第1号および第3号に該当する不当労働行為であると千葉県地方労働委員会において認定されました。 当社はこのような不当労働行為を行ったことについて、貴組合及び貴組合員に対し深く陳謝します。 昭和 年 月 日 日本ファイリング製造株式会社 代表取締役 Y1 総評合化労連東京合同労組日本ファイリング支部 執行委員長 X1 殿 (注 年月日は手交及び掲示の日を記載し、誓約書には会社の代表取締役の印を押すこと。) 4. 申立人のその余の申立は棄却する。 別 表(省略) |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
昇給査定の考課要素は評定者の主観に左右され易いものばかりであること、評定者がすべて別組合員に関する査定資料を提出しないこと、組合分裂以前には格差がなく、分裂後に格差がみられること等から、申立人組合員に対する昇給の低査定は不当労働行為である。
1202 考課査定による差別
申立人組合員に対する冬季および夏季期末手当の考課乗率を極めて低く査定したことが不当労働行為とされた例。
4413 給与上の不利益の場合
賃金改定、冬季および夏季期末手当、年間期末手当精算金等の是正にあたって従来の考課ランク及び考課乗率を不利益に変更しないよう命じた例。
4415 賃金是正を命じた例
昇給差別による賃金格差の是正について、標準的、平均的な勤務成績および能力を有する従業員と同様に、本給を1年につき1等級上昇したものとして再計算した額と既払賃金との差額を支払うよう命じた例。
5121 挙証・採証
組合員に対する昇給上の低査定が妥当であることを疎明するためには、それが相対的評価によるものである限り、申立外組合員に対する考課査定の具体的資料が不可欠であるとされた例。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集360頁 |
評釈等情報 |
 
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