概要情報
事件名 |
芝信用金庫 |
事件番号 |
東京地労委昭和46年(不)第101号
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申立人 |
芝信用金庫従業員組合 |
被申立人 |
芝信用金庫 |
命令年月日 |
昭和51年 1月20日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合を非難、中傷する社内報等の配布、組合機関紙の配布禁止及び回収、組合掲示板の一方的移動、金庫施設の利用・新入職員名簿の交付、慰安旅行参加・ボーリング大会共催の申入れ等について、別組合と差別したこと、スキー教室への組合員の参加拒否等をめぐる事件で、上記各支配介入行為の禁止、慰安旅行補助金相当額の支給ならびに誓約文の掲示を命じ、スキー教室参加拒否については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人芝信用金庫は、金庫が発行する「しば」および「労務ニュース」において、申立人芝信用金庫従業員組合を非難、中傷してはならない。 2. 被申立人は、申立人が発行する「芝従組ニュース」を回収したり、「ひなた」などの支部機関紙を配布禁止および回収したり、また、申立人組合の掲示板を移動して申立人の情宣活動を妨害してはならない。 3. 被申立人は、申立人からの講堂その他金庫施設の利用、新入職員名簿の交付およびボウリング大会共催についての申し入れに関して芝信用金庫組合と差別して取扱ってはならない。 4. 被申立人は、職員慰安旅行に申立人組合の組合員が参加することを拒否してはならず、かつ昭和46年度職員慰安旅行についての補助金相当額(1人当り 6,000円)を申立人組合員全員に対して支払わなければならない。 5. 被申立人は、本命令書受領の日から一週間以内に55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に、下記の内容を楷書で明瞭に墨書して、被申立人金庫の本店および各支店の職員の見やすい場所に掲示しなければならない。その掲示期間は10日間とする。 記 昭和 年 月 日 芝信用金庫従業員組合 執行委員長 X1 殿 芝 信 用 金 庫 理事長 Y1 金庫の行なった下記の行為は、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう留意致します。 記 (1) 「しば」および「労務ニュース」において貴組合の活動を非難、中傷したこと。 (2) 貴組合が発行する「芝従組ニュース」を回収したり「ひなた」などを配布禁止および回収し、また、貴組合の掲示板を移動させたこと。 (3) 貴組合から申し入れがあった講堂などの施設利用、新入職員名簿の交付およびボウリング大会共催申し入れにつき、芝信用金庫組合と差別して取扱ったこと。 (4) 貴組合の組合員が職員慰安旅行に参加することを拒否したこと。 (注、年月日は掲示した日を記載すること。) 6. その余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
2620 反組合的言動
「労務ニュース」において、組合の活動を中傷・非難したことが支配介入とされた例。
3020 組合活動への制約
組合からの施設利用申込みに対し、金庫の方針に反する団体には使用を認めないとして拒否したことが支配介入とされた例。
2901 組合無視
職員慰安旅行に申立人組合員を参加させなかったことが支配介入とされた例。
2901 組合無視
従来、金庫の主催であったボーリング大会を別組合との共催にきりかえ、従組との共催を拒否したことが支配介入とされた例。
2901 組合無視
別組合に対しては新入職員名簿を交付しながら、申立組合に対しては新入職員名簿を交付しないことが支配介入とされた例。
3020 組合活動への制約
金庫が、組合の機関紙などの職場内配布を禁止し、またすでに配布されたものを回収したことが支配介入とされた例。
3020 組合活動への制約
組合の掲示内容が会社の対外信用を害するものとして撤去を求め、組合が拒否するや組合掲示板を一方的に移動したことが支配介入とされた例。
3411 その他の従業員の言動
研修課員が執筆した社内報中の組合を非難、中傷した記事について、金庫がその責を負うべきであるとされた例。
4603 その他
職員の慰安旅行参加を拒否された組合員全員に対し、旅行補助金相当額1人当り6000円の支払いを命じた例。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集139頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1976年 6月 1日 247号 62頁 
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