労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  関西精器工業 
事件番号  愛知地労委昭和49年(不)第5号 
申立人  全日本商業労働組合愛知県支部 
被申立人  被産者 関西精器工業 破産管財人 Y1 
被申立人  関西精器工業 株式会社 
命令年月日  昭和51年 1月10日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社幹部の組合結成妨害、組合脱退勧奨、組合組織干渉等の言動、組合役員のみを出向先から引揚げたり、自宅待機を命じ、さらに、社長が組合員に暴行、脅迫を行った事件で、支配介入の禁止、自宅待機期間中のバックペイ及び陳謝分の手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 
命令主文  1. 被申立人関西精器工業株式会社は、申立人全日本商業労働組合愛知県支部の関西精器分会の結成を妨害したり、同分会を企業内労働組合に改組しようとしたり、同分会組合員に対して、組合からの脱退を勧奨したり、出向先から引揚げを命じたり、自宅待機を命じたり、実力行使をしたりするなどして、同分会の運営に支配介入してはならない。
2. 被申立人破産者関西精器工業株式会社は、全日本商業労働組合愛知県支部関西精器分会組合員X1の昭和49年 3月26日から同年 7月15日まで並びに同X2及び同X3の昭和49年 4月16日から同年 7月15日までの自宅待機の期間について、同人らに対し、同人らが正常に勤務した場合に支払うはずであった賃金相当額と支払済の賃金との差額を支払わなければならない。
3. 被申立人関西精器工業株式会社は、全日本商業労働組合愛知県支部に対し、下記の陳謝文を本命令書交付の日から5日以内に手交しなければならない。
            記
 会社が、貴組合の関西精器分会の結成を妨害したこと、同分会を企業内労働組合に改組しようとしたこと並びに貴組合の組合員に対して、組合からの脱退を勧しようしたこと、出向先から引揚げを命じたこと、自宅待機を命じたこと及び実力行使をしたことは、不当労働行為であったことを認め、ここに深くおわびします。
   昭和 年 月 日
   全日本商業労働組合愛知県支部
      執行委員長 X4殿
          関西精器工業株式会社
             代表取締役 Y2
4. 申立人のその余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  1300 転勤・配転
会社は、仕事がないこと、他社への出向やO工場への配転を拒否したので分会員3名に自宅待機を命じたと主張するが、全く仕事がなかったとは認め難く、また同人らに他社へ出向を命じた際に、同人らが通勤の困難、業務内容の不明確さなどからこれを拒否したこともやむを得ないことであること、また設計技術員である同人らに対し、異職種である現場作業および営業担当を十分な説明もなく命ずることは妥当ではないと判断されることからみて、仕事がないとして同人らに受入れ難い仕事を命じ、それを拒否したことに藉口して自宅待機を命じたもので不当労働行為である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
分会結成前後に、Y3社長ら会社幹部が組合結成の延期、上部団体に加入しないこと、組合脱退等を勧奨したことが支配介入とされた例。

2700 威嚇・暴力行為
社長が分会役員らに対し暴行、脅迫行為に出たことが支配介入とされた例。

3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
各出向先における組合活動の中心である分会役員のみを出向先から引揚げたことが支配介入とされた例。

3500 処分の時期
分会結成直後あるいは半年後の時期に出向先における組合活動の中心である分会役員のみを出向先から引揚げたことが支配介入とされた例。

4913 破産管財人
組合員3名に自宅待機を命じた事件について、破産管財人あてその期間の賃金相当額を支払済の賃金との差額を命じた例。

業種・規模  一般機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集58集67頁 
評釈等情報   

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