概要情報
事件名 |
小野田化学工業 |
事件番号 |
山口地労委昭和47年(不)第2号
山口地労委昭和47年(不)第4号
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申立人 |
X2 外個人 3名(第4号事件) |
申立人 |
X1 外個人10名(第2号事件) |
被申立人 |
小野田化学工業 株式会社小野田工場 |
被申立人 |
小野田化学工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和50年12月 6日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が非組合員職制らによる組合役員選挙干渉を黙認放置したこと、親会社施設内でのリボン・腕章着用に対して取外しを指示したこと、組合集会出席のための勤務次変更の申請を拒否し、申請どおり出席した者について賃金カットを行い、さらに昇給・賞与の査定を低くした事件で、組合役員選挙干渉行為放置および勤務次変更拒否の禁止と再査定・差額の支払いを命じ、大会出席当日の賃金カット分の支払いおよびリボン等の取外指示については棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人会社は、小野田化学労働組合小野田支部の役員選挙に際して、非組合員職制が選 挙運動に関与するのを放置してはならない。 2 被申立人会社は、小野田化学労働組合小野田支部の青婦部大会出席のために申出られた勤 務次変更に対して、それが組合活動に利用されるものであることを理由に拒否してはならな い。 3 被申立人会社は、X2、X3、X4の昭和47年夏期賞与及び47年賃上げに対する考課査定 分の査定額を査定2であったように改め、その査定に対応する相当額と支払済の額との差額 を上記3名に対し支払わなければならない。 4 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1203 その他給与決定上の取扱い
会社が組合員3名の青婦部大会出席を事故欠勤扱いにしたことは、正当な組合活動を理由として、組合活動を嫌悪し規制する意図のもとに勤務次変更を拒否して、昇給・賞与を最低位に査定したものであって、正当な組合活動に対する不利益扱いである。
2610 職制上の地位にある者の言動
2624 組合人事への干渉
3410 職制上の地位にある者の言動
親会社からの出向社員で非組合員職制である係長が組合支部の役員選挙に際し組合員宅を訪問し、有志推せん候補者に投票するように勧誘したことについて会社が厳に注意するなど誠意ある措置をとったとは認められず、むしろこれを承知しながら黙認放置したものとして会社の責に任ずべき支配介入である。
3011 従業員教育
3105 事業廃止、工場移転・売却
親会社における実習に際し、会社が組合員に対しリボン・腕章の取りはずしを命じ、かつ、これに応じないとみるや実習をやめさせる措置をとったことは会社の親会社に対する立場、会社職場内ではこれらの着用について何等干渉していないこと、何らの懲戒処分も行っていないことその他の事情からみて直ちに組合に対する支配介入を構成するものとは認められない。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
従来勤務次変更は厳重な手続を要せず、容易に認められていたこと、勤務次変更の手続の変更について、組合との協議を拒否し、一方的に実施したこと、何ら業務上の支障が認められないこと等から、本件青婦部大会出席のための勤務次変更を拒否したことは、組合が勤務次変更を利用して組合活動をするのを嫌悪し、これを規制しようとしてなした支配介入行為である。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集57集323頁 |
評釈等情報 |
 
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