労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  山形小松重車輛 
事件番号  山形地労委昭和50年(不)第2号 
申立人  山形小松労働組合 
被申立人  山形小松重車輛 株式会社 
命令年月日  昭和50年11月 8日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  組合員5名のユ・シ協定に基づく解雇問題、労働条件改定問題、組合員3名の別組合脱退問題、50年賃上げ・夏季一時金等に関する団交を拒否した事件で、解雇問題、労働条件改定問題、組合員3名の別組合脱退問題についての団交応諾と誓約書手交を命じ、50年賃上げ、夏季一時金等については棄却した。 
命令主文  主       文
1 被申立人は、申立人から申入れのあったX1、X2及びX3の解雇問題についての団体交 渉に応じなければならない。
2 被申立人は、申立人から申入れのあった労働条件改訂に関する団体交渉に応じなければな らない。
3 被申立人は、申立人から申入れのあったX4に関する団体交渉に応じなければならない。
4 被申立人は、申立人に対し下記文書を手交しなければならない。
                     記
  当社が、貴組合から申入れのあったX1氏、X2氏及びX3氏の解雇問題について、労働 条件等の改訂等について並びにX4氏の問題についての団体交渉に対し、正当な理由なく応 じなかったのは、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であることを認め、今後 このようなことを繰返さないと誓約いたします。
                             昭和  年  月  日
                       山形小松重車輛株式会社
                        代表取締役  Y1
   山形小松労働組合
    執行委員長  X5殿
5 申立人のその余の申立てはこれを棄却する。 
判定の要旨  2242 回答なし
組合の団交申入れには応じないでおきながら、突如組合三役を呼び、一方的に話をしたことは、そこに若干のやりとりがあったとしても、とうてい誠意をもって団交に応じたとは認められない。

2241 他の係争事件の存在
組合員5名の解雇問題について裁判所で争うとの態度を堅持するのは自由であるが、譲歩できないものであれば、組合にその委細を説明し、説得に努めるべきであり、単に譲歩できないことを理由に当初から団交を拒否することは許されない。

2253 受取り拒否・申入れなし
組合の賃上げ要求に対して多数組合との団交で十分であるとして回答しなかった会社の態度は認容し得ないが、組合は要求書を提出したのみで積極的に団交申入れをなさず、これを放置していたことから団交がなされなかったことについては組合側の手落ちがあったものと言わざるを得ない。

2307 その他
組合員3名の別組合に提出した脱退届が会社、別組合間のユ・シ協定による解雇に発展することを懸念し、中立組合がこの件につき事前に団交を申入れたのは当然であるのに、これを一言の説明もなしに放置し歩み寄りができないとして、団交に応じないのは拒否の正当な理由とならない。

2253 受取り拒否・申入れなし
ユ・シ協定に基づく申立組合員5名の解雇に関する団交申入書の名宛人に会社名のほか他社名が連記されていたとしても、受領を拒否する程の重大な誤まりとは認められず、団交を拒否する正当理由とはならない。

2253 受取り拒否・申入れなし
会社は、組合から団交の申入れがなかったので団交がもたれなかったにすぎないというが、労働条件改定等の要求提出後、団交申入れをしていることは明らかであり、また、会社が組合からの要求書の受領を拒否し、その拒否理由も明らかにしなかったのであるから団交に応じなかった正当理由はない。

4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
50年夏季一時金に関する組合の団交申入れに対し、組合指定日を無視し、突然、一方的に団交開催をしようとしたことは誠意ある措置とは認め得ないが、その後になされた団交で組合が会社回答を了とし、妥結したことが明らかであることから救済利益はない。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献  不当労働行為事件命令集57集191頁 
評釈等情報   

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