労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  井関銘木工業 
事件番号  茨城地労委昭和49年(不)第9号 
申立人  全統一労働組合 
被申立人  株式会社 井関銘木工業 
命令年月日  昭和50年 8月30日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  抗議行為を理由に分会員5名を、無断欠勤を理由に書記長をそれぞれ減給処分に付した事件で、処分の撤回及びバック・ペイを命じた。 
命令主文  主     文
 被申立人は、昭和49年7月25日付で行ったX1、X2、X3、X4およびX5に対する減給処分並びに同年7月26日付で行ったX2、X3およびX2に対する減給処分をすべて撤回し、同人らに、これらの減給処分によって失った賃金相当額を支払わなければならない。 
判定の要旨  0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
組合切崩しに積極的に関与した分会員X6に対する分会の抗議行為は、その目的手段に照らし、組合の組織防衛上やむを得ない行為として許されるものと判断され、正当な組合活動の範囲をいまだ逸脱していない。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
会社が開催した別組合結成のための会合に参加して組合切崩しに参画した課長に、分会が抗議することは、組合活動の一環としてなされたものと認められ、分会がとった手段において抗議する限り、正当な組合活動の範囲を逸脱したものとはいえない。

1400 制裁処分
分会の行った抗議行為は、正当な組合活動と認められる以上、この行為の幹部責任を追及して副分会長と書記長の両名を減給処分に付したことは不利益扱いである。

1400 制裁処分
分会が行った抗議行為の際、分会員X6に対して脅迫ないし暴力を振ったとする十分な疎明はなく、また、他分会員と同様の行為をしたのにことさら特定の分会員のみ処分したことなど、分会員3名に対する減給処分にはいずれも正当な理由がなく、不利益扱いと判断される。

1400 制裁処分
従来、「組合活動のため」と記載された欠勤届は、別事由に書き直させた後、欠勤を承認していたと認められ、本件において組合書記長が私用のためと書き直し再提出した欠勤届を工場長が受け取ったのであるから、同人が工場長の黙認があったと考えるのは無理からぬところがあり、これを無断欠勤として減給処分にしたことは、同人の組合活動を嫌悪しての処分であり、不利益扱いである。

4838 申立ての承継
組合員に対する不利益取扱は、同時にまた労働組合の団結に対する侵害でもあるから、個々の組合員のみならず労働組合も、当事者適格を有する。

業種・規模  木材・木製品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集56集266頁 
評釈等情報   

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