概要情報
事件名 |
高石市水道事業 |
事件番号 |
大阪地労委昭和49年(不)第52号
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申立人 |
高石市水道検針徴収員労働組合 |
被申立人 |
高石市水道事業管理者 |
命令年月日 |
昭和50年 7月10日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
水道検針徴収員労組は、労組法上の労働組合でないとして団交を拒否し、組合員X1との委託業務の再契約を拒否した事件で、団交拒否の禁止、及びX1に対し再契約拒否がなかったものとして従前の業務に就かせること、報酬相当額(年5分の割合による金員を含む)の支給を命じ、ポスト・ノーティスについては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人が労働組合法上の労働組合ではないとの口実で、申立人との団体交渉 を拒否してはならない。 2 被申立人は、申立人組合員X1に対し、次の措置を含め、昭和49年6月1日の再契約拒否 がなかったものとして取り扱わなければならない。 (1)従前の業務に就かせること (2)同人が再契約拒否のために失った報酬相当額(再契約拒否直前の3ヶ月の平均報酬月額 により算定した額とこれに対する年5分の割合による金員を含む)を支払うこと 3 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3500 処分の時期
最近、委託件数が漸減傾向にあることは認められるが、徴収員の減員が必要であったとすることは極めて疑問であること、一方、委託制度導入以来一度も契約更新を拒否したことがないこと、本件が組合結成通知の直後になされたこと等を併せ考えると、副執行委員長X1との再契約拒否は、契約期間満了を奇貨としてなされた不当労働行為である。
2113 交渉団体として不適格
市水道の検針徴収員が主体となって組織されている組合が労組法上の労働組合であることが明らかな以上、これを労組法上の労働組合でないとして団交を拒否したことは不当労働行為である。
4810 労組法7条2号(個人申立)の場合
4825 その他
本件の徴収員らは地公企法33条の2に規定された、いわゆる委託を受けた私人であるが、徴収員は水道事業遂行に必要不可欠な人的要素として、管理者が事実上一方的に決定した契約内容に従って集金業務を継続的かつ一定の報酬を得て行うもので、管理者に従属し使用される関係にある労働者であると認められ、徴収員が主体となって組織している組合は、労組法上の労働組合であることは明らかである。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集56集67頁 |
評釈等情報 |
 
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