概要情報
| 事件名 |
中外電気工業 |
| 事件番号 |
東京地労委昭和49年（不）第75号
東京地労委昭和49年（不）第94号
東京地労委昭和49年（不）第98号
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| 申立人 |
総評全国金属労働組合富山地方本部 |
| 申立人 |
総評全国金属労働組合富山地方本部中外電工富山工場支部 |
| 申立人 |
総評全国金属労働組合 |
| 被申立人 |
中外電気工業 株式会社 |
| 命令年月日 |
昭和50年 6月 3日 |
| 命令区分 |
一部救済（命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む） |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
会社が組合との協定に反し、配転対象者を直接呼びだしたこと、組合員の食堂使用拒否、団交拒否、職制の言動、会社の文書配布等が争われた事件で、食堂使用拒否の禁止、団交拒否の禁止、陳謝文の手交を命じ、職制の言動などの一部については棄却した。 |
| 命令主文 |
主 文
1 被申立人中外電気工業株式会社は、申立人総評全国金属労働組合富山地方本部中外電工富 山工場支部が同社富山工場内の食堂の使用許可を求める場合に、同支部が昭和49年8月13日 会社から要求された確認書を提出していないことを理由としてこれを拒否してはならない。
2 被申立人会社は、申立人3組合が、昭和49年9月26日付で申し入れた団体交渉を、(1)単な る抗議のための団体交渉には応じられないこと、(2)関係官庁と折衝であることを理由として 拒否してはならない。
3 被申立人会社は、申立人3組合に対し、下記の文書を手交しなければならない。
記
総評全国金属労働組合
中央執行委員長 Ｘ1 殿
総評全国金属労働組合富山地方本部
執行委員長 Ｘ2 殿
総評全国金属労働組合富山地方本部中外電工富山工場支部
執行委員長 Ｘ3 殿
当社が組合員の配転について、貴支部との協定に反し、事前協議を尽くさずに直接対象者 を呼び出したこと、食堂の使用を確認書の未提出を理由に拒否したこと、組合を誹謗する文 書を配布したこと、団体交渉の申し入れを拒否したことは、いずれも不当労働行為に該当す ると東京都地方労働委員会において認定されました。
今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
昭和 年 月 日
中外電気工業株式会社
代表取締役 Ｙ1
4 その余の申し立てを棄却する。 |
| 判定の要旨 |
2245 引き延ばし
食堂の使用、生理休暇、年次有給休暇に対する賃金カット等をめぐる団交の申入れを、本団交申入れが単なる抗議のためのものであるとか、それらの問題について関係官庁との間で折衝中であるという理由で拒否することは、いずれも正当理由とは認められない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
職制が「お前ら赤や・・・」、「組合の人達は自暴自棄になっている・・・」という発言をしたことや、新労組合員である主任が夜間支部組合員の自宅を訪問して新労への加入を勧誘したことは、その程度では組合活動に対する支配介入とはいえない。
2620 反組合的言動
組合の文書活動への対抗手段として「従業員御家族御一同様」という文書を従業員の自宅に配付したことは、その文書の趣旨が会社の現況を従業員等に周知させることを目的として出された文書とみるのが妥当である。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
組合の文書活動への対抗手段として配布した「地域社会の皆様へ」という文書の内容は、組合及び組合幹部を誹謗中傷しており、組合員と組合ないし組合幹部との離反をはかったもので、使用者の言論の自由の範囲を逸脱したものである。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
今後上部団体役員が無断で入構しないなどを約した確認書の未提出を理由に、会社が組合集会等のための食堂使用を拒否したことは、会社提案の条件が食堂利用と直接関係がなく、また組合関係者の無断立入りなども特に問題とするに足りないことから、組合がのみにくい条件を付して食堂の使用を妨げ、組合活動を制限しようとした不当労働行為である。
3010 労組法7条1号（不利益取扱い、黄犬契約）と競合
配転問題について会社が各配転対象者に個別に呼び出し状を渡し、組合の指示によって呼び出しに応じないとみるや重ねて業務命令違反であるとの意見を述べた文書を渡したことは、組合との間の事前協議協定があるにもかかわらず、組合を除外して個人との話合いのみで配転を応諾させようとしたもので、組合の存在を無視した不当労働行為である。
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| 業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
| 掲載文献 |
不当労働行為事件命令集55集596頁 |
| 評釈等情報 |
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