概要情報
事件名 |
宮入バルブ製作所 |
事件番号 |
山梨地労委昭和50年(不)第4号
山梨地労委昭和50年(不)第5号
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申立人 |
全国金属労働組合山梨地方本部宮入バルブ支部 |
被申立人 |
株式会社 宮入バルブ製作所 |
命令年月日 |
昭和50年 5月24日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社側交渉員の権限を試案作成までとしたこと、労働協約無視の賃金遅配、人員整理を強行したことが争われた事件で、権限ある交渉委員による誠意団交、人員整理等による支配介入の禁止及び主文第1項前段の履行報告を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人との団体交渉に際し、「会社役員会の承認を条件とする試案作成まで の権限を付与する」旨の条件を撤回し、代表取締役自らもしくは権限ある交渉委員をして誠 意をもって団体交渉をしなければならない。 2 被申立人は、申立人との間に成立している労働協約を尊重し、希望退職募集の基準につい ても事前に申立人と協議して決め、協議整わないままに退職募集を始め、かつ退職を強要し たり、申立人組合の組織の破壊、分断を意図した人員整理等で支配介入行為をしてはならな い。 3 被申立人は、主文1前段の条件撤回について、本命令書写受領後5日以内に、その履行の 状況を当委員会に報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
2120 交渉委任
会社が会社交渉委員の権限を試案作成までとするような制限を付して組合との団交を要求することは、団交が信頼関係確立の場であり会社自らの不信行為の排除と誠意をこそ求められるべきところ、このような提案をした根底に組合軽視がうかがわれ、組合が当然に応じないことを予期し、会社の一連の強引な行動を正当化し、かつ支えることをもねらった不当労働行為である。
2240 説明・説得の程度
3103 労働協約締結をめぐる行為
会社が賃金遅配をするについて組合と十分協議せず支払日に切迫して突如申し入れたこと、遅配を制度化すべく協約改訂の申入れをしたことは人員整理の必要性を正当化するなどのための作為であり、また会社が一方的に希望退職者募集を強行してその要綱を掲示公表したこと等は、労働協約尊重の精神に欠けるものといわざるをえず、これらは組合に対する一連の支配介入行為と認められる。
4505 その他
会社は、団交に際して付した会社側交渉委員の権限を制限する旨の条件を撤回するについて、本命令書写受領後5日以内に、その履行状況を当委員会に報告しなければならない。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集55集546頁 |
評釈等情報 |
 
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