労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  コージーコーナー 
事件番号  埼玉地労委昭和48年(不)第2号 
申立人  X1 
申立人  コージーコーナー労働組合 
被申立人  有限会社 コージーコーナー 
命令年月日  昭和50年 5月12日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  組合の自主運営の妨害、組合三役の解雇をめぐる事件で、組合の自主運営を妨害し弱体化を招来する等の行為の禁止、懲戒解雇及び解雇の取消、原職復帰、バックペイを命じ、誓約書の手交及び掲示は棄却した。 
命令主文  主     文
1 被申立人会社は、申立人組合又は組合員に対し、組合綱領の批判的意見の表明、その書直 しの慫慂及び綱領の理解度の質問、外部労働団体との接触、提携の牽制、組合脱退の勧告、 組合業務執行に対する容喙、組合員たることの不利益の説得、組合員は役付にしておけぬと の趣旨の表明等の方法により、組合の自主的運営を妨害し、組合の弱体化を招来する等の行 為をしてはならない。
2 被申立人会社は、申立人組合の組合員X1(申立人)に対する昭和48年3月26日付、同X 2に対する昭和48年5月26日付、同X3に対する昭和48年6月7日付の各懲戒解雇処分、同 X4に対する昭和48年6月19日付解雇を取消し、各人を夫々の原職に復帰させ、解雇の日か ら、原職に復帰するまでの間に受くべきであった賃金相当額を各人に支払わなければならな い。
3 申立人らのその余の請求を棄却する。 
判定の要旨  0600 暴力行為
組合副書記長X2が会社の実力行使による社員寮明渡しに対し憤激して、製造長への脅迫的言動及び同人宅への襲撃態勢をとったことの誘因は会社の自力救済的実力行使の態度にあり、会社のX2に対する懲戒解雇は、X2の一時金闘争、組合結成等における主導的立場、組合結成後副書記長として活動したこと等を嫌悪した不利益扱いである。

0900 不正行為
組合書記長X1が会社納品書を改ざんしたとして、X1を懲戒解雇処分にしたことは、就業規則に数種の処分段階があり、額も2万円にすぎず、実害のなかったことから妥当な処分でなく、しかも会社の組合及び組合員に対する態度等諸事実を総合すると、会社の組合嫌忌に因る、組合弱体化の企図、指導的役員の職場からの排除を意図した不利益扱いである。

1107 その他
組合執行委員長X3を、業務上の必要を理由に、主任を解任し、休職を命じ、ついで怠業指導を理由に懲戒解雇処分にしたことは、会社が組合員は役付にしておけぬとの趣旨を放言したこと、就業規則上の懲戒解雇条項に該当する事実を認めることができないことからみてX3の正当な組合活動を理由とする不利益扱いである。

1100 雇用関係の存否
会社が、組合副執行委員長X4を休職、出勤停止、解雇の度重なる処分を為したことに正当と見るべき客観的事実は認められず、会社の言動等諸事実を総合すると、X4が組合役員で、熱心な組合活動家であることを嫌忌した不利益扱いである。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
会社の組合に対する組合綱領についての批判的意見の表明と書直しの慫慂等会社の諸言動は組合の自主的運営に対する不当の容喙であり、組合員の心理的動揺を誘発し、組合脱退者増加の誘因ともなり、結果的には組合に対する支配介入となる。

業種・規模  食料品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集55集501頁 
評釈等情報  労働判例 昭和50年 8月15日  228号 51頁 

[先頭に戻る]