概要情報
事件名 |
恵那生コン |
事件番号 |
岐阜地労委昭和50年(不)第2号
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申立人 |
全国自動車運輸労働組合恵那生コン支部 |
被申立人 |
鉄砲屋商事 株式会社 |
被申立人 |
株式会社 恵那生コン |
命令年月日 |
昭和50年 4月24日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
組合結成直後における組合三役の解雇、工場閉鎖による組合員全員の解雇、事業再開等に関する団交拒否をめぐる事件で、原職復帰、バック・ペイ、団交応諾を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人株式会社恵那生コンは、X1他10名を原職に復帰させ、かつ、同人らが原職復帰 までの間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 2 被申立人株式会社恵那生コンは、申立組合全国自動車運輸労働組合恵那生コン支部から申 入れを受けた事業の再開、就労の保障につき、また被申立人鉄砲屋商事株式会社は、X2の 就労について誠実に団体交渉しなければならない。 |
判定の要旨 |
0500 勤務成績不良
会社は、組合三役3名を勤務成績不良を理由に解雇したもので、解雇を決めたのは、組合結成通知前であると主張するが仮にそうとすれば組合結成通告の時に3名に対し同時に解雇通告をすべき筋合いであるのに、時間方法を異にして順次解雇通知をしている事から、会社主張は認められず、結成通告の際の組合結成を嫌悪した社長発言等を考え合わせると、本件解雇は組合結成を理由とするものと断ぜざるを得ない。
1401 労務の受領拒否
1800 会社解散・事業閉鎖
企業続行に何ら支障がなかったにもかかわらず、組合結成通告した日の夕方、組合員全員に自宅待機を命じ、企業経営困難を理由とするほか何ら合理的理由も示さず工場を閉鎖し、全員を解雇したことは組合三役解雇の仕方などと考え併せると組合結成を嫌悪して労務提供の場を外形的に閉鎖したに過ぎないと言わざるを得ない。
2130 雇用主でないことを理由
被申立人会社T及びE社の社長は同一人物であり、組合はT社に団交を求めた形跡はないが、T社従業員X3が解雇させた後申立人組合に加入していることから、少なくとも同人の加入日以降申立人組合の解雇撤回の団交要求中には実質的にT社に対するものも含まれているとみるべきで、社長はT社に対する団交申入れについても拒否する態度であることが認められ、結局両社の行為は団交拒否にあたる。
2242 回答なし
被申立人会社E社は組合の要求する解雇撤回、企業再開の団交に応じないばかりでなく、これより前組合結成通告と同時に組合からの団交申入れについて何ら正当な理由も示さず拒否し、解雇、工場閉鎖問題にかかる地労委の斡旋にも出席しない等から一貫して、団交拒否の態度をとっているといわざるを得ない。
4000 退職金等の受領
組合員が解雇予告手当を受領したのは、会社の賃金支払能力に危惧を感じたためで賃金の支払いとして受領する旨会社に通告しており、離職証明書にも労委で係争中である旨記載しており、組合員が本件解雇を争う意思は明確であるから解雇予告手当を受領したことが解雇を承認したものとは認められない。
4420 団交を命じた例
本件解雇につき仮処分決定が出されているが、現在E社、T社とも事実上職場復帰を認めておらず、かつ現実に就労するについては、労使間で協議する事項も少なくないので、事業再開、就労保障につき、組合と両社が団交する必要性が認められる。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集55集488頁 |
評釈等情報 |
 
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