労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  宮崎電線工業 
事件番号  福島地労委昭和48年(不)第6号 
申立人  総評全国一般労働組合福島地方本部会津支部宮崎電線分会 
被申立人  宮崎電線工業  株式会社 
命令年月日  昭和50年 4月 3日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  組合結成直後、会社職制による組合非難・脱退勧奨、未妥結の年末一時金につき、組合員に受領の呼びかけ、会社施設利用の拒否をめぐる事件で、支配介入の禁止・施設利用の容認を命じ、一部職制の行為については棄却した。 
命令主文  主     文
1 被申立人会社は、職制によって申立人組合及びその上部団体を誹謗中傷して暗に組合員に 対し組合脱退及び上部団体からの脱退を勧奨したり、組合の運動方針を非難したり、申立人 組合との間に一時金について団体交渉が妥結するに至らないのに申立人組合の意思を無視し て組合員にこれを支給しようとするなど、自主的な組合活動を妨害して、申立人組合の運営 に支配介入してはならない。
2 被申立人会社は、申立人組合が組合活動のため臨時的にその施設の利用を求めた場合、業 務に支障を生ずる場合を除き、これを拒否してはならない。
3 申立人のその余の申立は、これを棄却する。 
判定の要旨  2620 反組合的言動
三六協定を締結するか否かは、全く従業員である組合員の自由意思に委ねられ、分会が協定締結の諾否を労働条件に関する団交の手段、方針とすることも任意であるから、労働条件をめぐり労使が激しく対立している下で、分会が三六協定の締結を拒否したことについて、会社の利益代表者であるY1工場長がこれを非難する文書を掲示したことは、組合方針に対する誹謗中傷であって、組合員の動揺を目的とした支配介入である。

2610 職制上の地位にある者の言動
下級職制の組合役員らに対する言動は、いずれも分会や上部団体を誹謗中傷し、脱退を勧奨したもので、役付会議の協議に基づいて行ったものないしは、会社の反組合的意図を忖度し、職務上の監督的地位を利用してなされ、会社もこれを容認し、利用する意思をもっていたことが推認される以上、会社においてその責を負うべきものである。

3020 組合活動への制約
会社は施設利用についての協定のないことを理由に組合の利用を一切拒否しているが、親睦団体へは協定がないにもかかわらず、利用を認めていること、具体的に組合活動のため会社施設を利用させることが、会社の業務上支障を生ずる特別の事情も認められないことから本件会社の態度は組合活動を不当に制限する支配介入である。

2901 組合無視
現に組合と交渉中の年末一時金について、組合の申し入れを無視して、支給を掲示し、かつ組合員に直接受領を呼びかけたことは、組合そのものの存在を無視するものであり、組合員に不安と動揺を与えるもので組合への支配介入である。

業種・規模  非鉄金属製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集55集423頁 
評釈等情報   

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