労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  南海放送 
事件番号  愛媛地労委昭和49年(不)第20号 
申立人  民放労連南海放送労働組合 
申立人  民放労連中四国地方連合会 
被申立人  南海放送  株式会社 
命令年月日  昭和50年 3月12日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  就業規則改定等に関する団交申入れを拒否した事件で、団交応諾・命令の履行報告を命じ、解決金の支払い等の請求は棄却した。 
命令主文  1 被申立人南海放送株式会社は、申立人民放労連南海放送労働組合が申入れた別紙目録記載 の議題について、すみやかに団体交渉しなければならない。
2 被申立人会社は、前項の命令を履行したときは、その旨を遅滞なく文書で当委員会に報告 しなければならない。
3 申立人らのその他の申立ては棄却する。 
判定の要旨  2245 引き延ばし
会社側交渉委員が出張中等業務上の都合により団交に応じられない事情は認められるが、組合申入れ日時にはいずれも応じることが出来ないと答えるのみで、積極的に交渉日時を決定する努力をしたとは認められず、結局、組合との交渉開催に誠意を示したものとはいい難い。

2300 賃金・労働時間
一般に労働条件の変更に伴なう就業規則の改定について、労働組合が、組合員の利害に関係ありとして、必要な交渉を求めるのは当然であり、しかも本件の場合、就業規則改定が組合の労基署への時間外手当等の不支給の申告に端を発したもので、かつ現に執行委員長が受けている管理業務手当に関する就業規則改定について交渉を要求するのは当然であるから、本件が団交事項になじまないとの会社の主張は認められない。

2307 その他
組合が申入れた団交議題7項目のうち、新執行部あいさつ、開局一時金および要求提出のための団交開催以外の交通手当引上げ等の議題は団交になじまないとはいえず、会社が一方的に交渉になじまないとか、一事不再理とかを理由に交渉をもたなかったことは誠意ある使用者の団交応諾義務を果しているとは認められない。

4823 上部団体
地連が会社に対し団交を求めたことがなく、団交拒否の事実もないが、地連がその下部組織である組合の団交権ひいては団結権行使について多大の関心をもつのは当然で、直接的でないにせよ、利害関係をもつ上部団体であるから、申立権を有する。

5001 将来における予防、不特定な内容の請求
5008 その他
申立人は「申立人の申入れる団交に必ず応じなければならない」等を命じるよう求めるが、これをそのまま容認することは、将来にわたって会社に時期、事情、理由のいかんにかかわらず団交応諾を義務づけることとなり、不当労働行為の救済制度上認められない。

5005 損害賠償の請求
和解協定書違反による損害の解決金支払い請求は、不当労働行為制度上、労委の権限外である。

業種・規模  放送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集55集328頁 
評釈等情報   

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