労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  世界堂 
事件番号  東京地労委昭和49年(不)第28号 
申立人  全統一労働組合 
申立人  X1 
被申立人  株式会社 世界堂 
命令年月日  昭和50年 3月 4日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  抽象的な回答、理由なき団交延期等使用者の団交態度、業務命令拒否を理由とする職場委員の解雇等をめぐる事件で、誠意ある団交応諾、解雇撤回、原職復帰、バック・ペイ、ポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  主     文
1 被申立人株式会社世界堂は、申立人全統一労働組合が、昭和49年2月28日に申し入れた要 求事項についての団体交渉を拒否してはならず、その団体交渉に権限あるものを出席させ、 誠実に応じなければならない。
2 被申立人は、申立人X1に対する昭和49年3月24日付解雇を撤回し、原職に復帰させ、同 人が解雇された日の翌日から原職に復帰するまでの間受けるはずであった賃金相当額を支払 わなければならない。
3 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に、縦55cm×横80cm(新聞紙2頁大)の大 きさの白紙に、下記の内容を楷書で、明瞭に墨書して、新宿本店の従業員の見易い場所に10 日間掲示しなければならない。
                     記
   全統一労働組合
    中央執行委員長 X2 殿
  当社が、貴組合から申し入れを受けた団体交渉を拒否したことおよび貴組合員X1を解雇 したことは不当労働行為であると、東京都地方労働委員会において認定されました。
  今後は、誠意をもって団体交渉に応じ、このような不当労働行為を繰返さないよう留意し ます。
                             昭和 年 月 日
                          株式会社 世界堂
                           取締役社長 Y1
  
4 被申立人は、前項を履行した時は、すみやかに当委員会に、文書で報告しなければならな い。 
判定の要旨  0500 勤務成績不良
1102 業務命令違反
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3700 使用者の認識・嫌悪
組合職場委員X1のレジ係配転拒否について当時会社は重要視していたか疑しく、また従前レジ係はレジ専門として採用していたこと等を考えると、同人が配転を拒否したとしても、解雇理由としては不十分であり、その他成績不良等の解雇理由は疎明不十分あるいは後につけ加えた疑いが濃く、いずれも合理性を欠き、結局同人が女性唯一の組合員として、積極的に組合員の獲得に努力していたことを嫌悪してなした不当労働行為である。

2248 実質的権限のない交渉担当者
2250 未妥結・打切り・決裂
社長が実際上すべての経営上の決定権を握っている場合、たとえ団交に応じたとしても社長が出席するか、権限を与えられた者が出席しなければ誠実ある態度とはいえず、また、組合の団交申入れに対して何らの理由も付さず団交延期を申入れたことは誠意ある団交態度とは認められないから、これら会社の一連の態度は、団交拒否に該る。

業種・規模  その他の製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集55集290頁 
評釈等情報   

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