労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  下妻市自動車学校 
事件番号  茨城地労委昭和48年(不)第1号 
茨城地労委昭和48年(不)第3号 
申立人  全統一労働組合 
被申立人  有限会社  下妻市自動車学校 
命令年月日  昭和50年 3月 3日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  作業手当支給の一方的停止、組合員に対し年末一時金を低額支給したこと、時間外勤務をさせなかったこと等が争われた事件で、支配介入行為の禁止、年末一時金の差額支給、陳謝文の手交・掲示などを命じ、その他は棄却した。 
命令主文  主      文
1 被申立人会社、申立人組合員に対し、作業手当について一方的変更を加えたり、組合役員 に対し不当な圧迫を加えるなどの支配介入をしてはならない。
2 被申立人会社は、申立人組合所属のX1の一時金については、一般従業員と同一に取扱わ ねばならず、昭和47年12月の年末一時金についての差額1万円を追加支給しなくてはならな い。
3 被申立人会社は、申立人組合所属の組合員の時間外勤務については、他組合の組合員と同 様に扱わなければならない。
4 被申立人会社は、本命令書交付の日から7日以内に、下記陳謝文を申立人組合に手交する とともに、縦90cm、横150cmの白色木板に下記文言を明瞭に楷書で墨書し、被申立人会社正 門わきに7日間以上掲示しなければならない。
             記
           陳 謝 文
  会社は、(1)作業手当の支給を停止したこと(2)X1に対し年末一時金を1万円少なく支給 したこと(3)X2に不当な圧迫を加えたこと(4)時間外勤務を停止したこと、などの各行為は 労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であったことを認め、ここに深く陳謝する とともに、今後かかる行為を繰返さないことを誓います。
             昭和 年 月 日
         有限会社 下妻市自動車学校
          代表取締役 Y1
 全統一労働組合
  中央執行委員長 X1 殿
5 申立人のその余の請求は棄却する。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
1604 その他
臨時職員であること、採用試験の受験拒否等を理由に組合活動家に対し年末一時金を低額支給したことは同人が入社以来賃金等について一般職員と同様に扱われてきたのに突然差別扱いしたことについて合理的理由が見出し難いこと及び同人が組合分裂後も組合にとどまっていることからすると同人に対する不利益取扱いであるとともに組合に対する支配介入行為である。

0412 順法闘争・残業拒否
1302 就業上の差別
2901 組合無視
組合の時間外勤務拒否闘争解除後、他組合の組合員には時間外勤務をさせていながら当該組合員には時間外勤務を拒否したことを理由に時間外勤務をさせないことは不当労働行為である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
3700 使用者の認識・嫌悪
会社の実力者である顧問が組合活動家を呼び出し、組合活動に関連づけて同人のかねてからの言動を非難しかつ激しく叱責したことは、従来の反組合的態度とあわせ考えると、不当労働行為である。

1102 業務命令違反
1203 その他給与決定上の取扱い
2901 組合無視
3700 使用者の認識・嫌悪
乗務しえなかった時間に対する生活保障としての作業手当の支給方法を会社が一方的に変更して今後は業務命令に応じた場合に支給するものとし、組合員が一部作業拒否をしていることからこれを業務命令違反として作業手当の支給を停止したことは、作業内容変更の必要性、作業手当の性格等について何ら協議説明することなく一方的に不支給の措置をとったこと、従来の会社の反組合的態度からみて、組合の弱体化を企図したものである。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集55集271頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]