概要情報
事件名 |
ミツミ電機 |
事件番号 |
東京地労委昭和47年(不)第79号
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申立人 |
ミツミ電機労働組合 |
被申立人 |
ミツミ電機 株式会社 |
命令年月日 |
昭和50年 2月18日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合員のワッペン等の着用に関し、抗議警告書を手交したり、取りはずしを命じ、ストライキに伴う賃金カットの範囲の拡大およびロック・アウト通告による賃金カット等をめぐる事件で、ロック・アウト通告による賃金カット分の支給、抗議警告の撤回等を内容とする文書の手交を命じ、賃金カットの範囲の拡大については棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人ミツミ電機株式会社は、申立人ミツミ電機労働組合所属の組合員に対して、ロッ ク・アウト通告による賃金カット分(昭和46年12月1日厚木工場28分、開発センター10分、 同月9日厚木工場・開発センター各10分、昭和47年5月16日厚木工場30分、開発センター10 分)を支給しなければならない。 2 被申立人会社は、申立人組合に対し下記の文書を交付しなければならない。 記 ミツミ電機労働組合 中央執行委員長 X1 殿 貴組合の決定に基づく組合員のワッペン等の着用に関して当社が昭和46年9月8日から昭 和48年11月8日までの間、数百回にわたり多数の貴組合員に対して直接、抗議警告書を手交 したこと、職制をしてそれらの取りはずしに応じなければ規律違反の責任問題が生ずること もありうる旨を告げさせたことは不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定 されました。よってすべての前記抗議警告書を撤回し、職制からの口頭による注意も一切な かったものといたします。この段同労働委員会の命によって御通知申上げます。 昭和 年 月 日 ミツミ電機株式会社 代表取締役 Y1 3 被申立人会社は、前各項を履行した時は、すみやかに当委員会に文書で報告しなければな らない。 4 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
0419 ロックアウトとの関連
1204 スト・カット
3102 争議対抗手段
組合の行ったコマ切れの就業時間を残すストに対してなされた会社のロック・アウト通告とそれにもとづく賃金カットは、会社がロック・アウト時間中組合員に対して就労排除の具体的措置をとらなかったこと、ロック・アウトの態様その他の事情を総合すると、真に必要止むをえない対抗措置とはみられず、組合のストに対する報復措置といわざるをえない。
0419 ロックアウトとの関連
1204 スト・カット
3103 労働協約締結をめぐる行為
会社がストに対する賃金カットの範囲を定めた「団交確認事項」を一方的に破棄し、カットの範囲を拡大し、賞与の欠勤控除にストによる不就労時間を算入したことは、組合に対する報復措置の疑いがあるが、前記確認事項の破棄は前年のストに際しての賃金保障額が高額であった実績や経営事情の悪化を考慮してなされたもので、その結果本件賃金カットがなされたとしても直に不当労働行為とはいえない。
0210 リボン・ワッペン等の着用
1400 制裁処分
3102 争議対抗手段
会社が規律維持の立場からワッペン等着用闘争について組合に対して、再三「抗議警告」を発したりなどした行為は、組合の闘争に対する一種の対抗措置であって、これをもって直ちに組合に対する不当な支配介入とまで断定することはできない。
0210 リボン・ワッペン等の着用
1400 制裁処分
1400 制裁処分
2621 個別的示唆・説得・非難等
3102 争議対抗手段
組合のワッペン等着用闘争に対し、組合に対する抗議警告にとどまらず個々の組合員に対して直接に抗議警告を執拗に発し、また職制を介してそのとりはずしを命じ、応じない場合は責任問題が生ずることもありうる旨を告げたことは組合員に対する直接の心理的動揺を意図した支配介入に該る。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集55集161頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和50年 4月20日 876号(26巻10号) 28頁 
労働判例 昭和50年 6月 1日 222号 50頁 
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