概要情報
事件名 |
ミヤダイ |
事件番号 |
宮城地労委昭和49年(不)第9号
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申立人 |
ミヤダイ労働組合 |
被申立人 |
株式会社 ミヤダイ |
命令年月日 |
昭和50年 2月 4日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社は、団交に権限を委任された責任者を出席させず、組合解散、組合脱退を強要し、又賃金遅配を行ない、これに対する就業時間内の抗議行動参加者について賃金カットした事件で、誠意ある団交応諾及び支配介入行為の禁止を命じ、賃金遅配および賃金カットについては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人株式会社ミヤダイは、申立人ミヤダイ労働組合からの団体交渉申入れに対し、正 当な理由もなくこれを拒否してはならず、また、代表取締役又はこれに代る権限を有する者 を出席させて、誠意をもって交渉に当らなければならない。 2 被申立人株式会社ミヤダイは、申立人ミヤダイ労働組合及び同組合員に対し、「組合をつ ぶさなければ、会社は仕事をやらない。」とか「お前たちとは、一緒に仕事をやりたくな い。」など、暗に組合解散を要求したり、又は、職制を通じ組合員に対し直接・間接に退職 あるいは組合脱退を求めるなど、組合の弱体化を企図するような行為をしてはならない。 3 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
理由を示さずに賃金遅配を行なったことに対する抗議行動は組合及び組合員の不安と焦燥から発生したもので、会社にも重大な責任があることは否定出来ないが、抗議行動が就業時間中に行なわれたこと、会社が特に支配介入の意図をもってなしたとは認め難いことから本件行動参加者に対する賃金カットは不当労働行為とはいえない。
2240 説明・説得の程度
組合結成直後、会社は春闘及び別件和解協定事項中軽易な事項に関する団交を数回行なったのみで、その後は理由もなく団交を拒否し続け、さらに社長あるいはこれに代わる相当程度の権限を委任された責任者が出席して、積極的に話合いのうえ、問題を解決しようとする態度に出なかったことは誠意ある団交とはいえない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
会社社長が組合員に対し組合を中傷誹謗したり、職制を通じ退職又は組合脱退を勧奨したり救済申立てを取り下げなければ話合に応じないなどと発言したことは支配介入である。
1201 支払い遅延・給付差別
2300 賃金・労働時間
理由を明らかにすることなく組合結成直後8ヶ月にわたって賃金を遅配し、これに対する組合の抗議に対しても、十分なる説明、団交を行なわなかったことは、組合員に不安と動揺を与えて組合の団結を侵害せんとした疑いがないではないが、なお賃金遅配そのものを不当労働行為とするには十分でない。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集55集86頁 |
評釈等情報 |
 
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