労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  黒井産業 
事件番号  秋田地労委昭和49年(不)第6号 
申立人  黒井自動車学校労働組合 
被申立人  黒井産業 株式会社 
命令年月日  昭和49年12月12日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社幹部会妨害、不正路上教習と始末書の不提出を理由とする組合委員長の解雇、組合の運動方針を非難する文書の送付、団結権を否認する労務担当者の発言、役付手当の増額支給等をめぐる事件で、原職復帰、バックペイ及び組合運営への支配介入の禁止を命じ、役付手当の増額支給、陳謝文の掲示、手交および新聞掲載については棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、X1に対し、次の措置を含め、昭和48年11月7日付の懲戒解雇がなかったと同様の状態を回復させなければならない。
(1) 原職に復帰させること
(2) 解雇から原職復帰までの間に同人が受けるはずであった諸給与相当額を同人に支払うこと
2 被申立人は、申立人組合の組合員に組合の活動方針を非難する文書を送付したり、労務担当責任者の組合の団結権を否認する発言などを通じて、申立人組合の運営に支配介入してはならない。
3 申立人のその余の請求は棄却する。 
判定の要旨  0700 職場規律違反
1102 業務命令違反
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合委員長X1が幹部会を妨害した事実は認められず、不正路上教習についても、諸般の事情から懲戒解雇するほどの重大な服務規律違反とは考えられず、始末書不提出についても、もっともな事情が認められ、その他の諸事情をも考慮すると、本件解雇は、組合の中心的活動家X1を企業外に放逐し、組合の弱体化を図ったものである。

1201 支払い遅延・給付差別
管理職手当に相当する役付手当を、所定の手続を経ることなく就業規則を改正し、一方的に増額、支給したことは、支給時期・支給手続に組合への配慮を欠いた点はあるが、組合員も含まれる係長職については、組合と交渉が妥結次第増額支給する準備があることその他の事情からみて組合員を差別しようとする意図によるものとは認められない。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3410 職制上の地位にある者の言動
組合の運動方針を非難・攻撃する社長名の文書を、労使関係が険悪な時期に、組合員のいる県内5校に限って、全従業員に個別に送付したことは、組合が自主的に決定すべき運営方針に容喙する行為であって、上部団体に加入している組合の運動路線を嫌悪してなした不当な介入行為である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3410 職制上の地位にある者の言動
労務担当の総括責任者Y1が団結権を否認する発言をしたことは、いかに酒席の上であるとしても、全従業員が出席している学校としての行事の席上で行なわれたことであることを考えれば、組合員を動揺せしめる支配介入行為である。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集54集441頁 
評釈等情報   

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