労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  三和陸運 
事件番号  兵庫地労委昭和49年(不)第10号 
兵庫地労委昭和49年(不)第11号 
申立人  全国自動車運輸労働組合神戸支部三和陸運分会 
被申立人  三和陸運 株式会社 
命令年月日  昭和49年11月26日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  分会結成直後から組合員の仕事量が減少し、その後赤字経営等を理由に営業所を閉鎖し、同所の全従業員を解雇した事件で、仕事量の減少によって生じた賃金減収分の支払い、解雇取消し、バック・ペイおよびポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人三和陸運株式会社は申立人組合の組合員、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10に対し、昭和49年4月分以降同年8月12日までの間に同人らの仕事を減らしたことにより生じた賃金減収分を支払わなければならない。
2 被申立人三和陸運株式会社は、申立人組合の組合員、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10に対する昭和49年8月13日付解雇を取消し、同日以降解雇取消の日までに同人らが受けるべき賃金相当額を同人らに支払わなければならない。
3 被申立人三和陸運株式会社は、本命令交付後直ちに縦1メートル、横 1.5メートルの白板に下記のとおり墨書し、被申立人会社本社正面前及び神戸営業所正面前に1か月間掲示しなければならない。
              記
 三和陸運株式会社は、貴労働組合の組合員の仕事を減らし、更に神戸営業所を閉鎖して組合員を解雇しました。
 これらの行為は労働組合法の禁止する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝すると共に今後かかる行為を行わないことを誓約致します。    昭和 年 月 日
                   三和陸運株式会社
    全国自動車運輸労働組合
    神戸支部三和陸運分会御中 
判定の要旨  1302 就業上の差別
仕事量が減少した理由は、会社は、貨物輸送の専属契約を結んでいるK社の減産によるものであり、また、K社が分会結成によりスト発生を懸念して仕事を他社に振り向けた結果によるものであると主張するが、K社の減産による荷動きの減少は認められないこと、組合が過去にストを行なった事実はなく、会社がK社の懸念を払拭するよう積極的努力をした形跡もないこと等から、この点について会社は責任を免れることはできない。

1800 会社解散・事業閉鎖
会社は、営業所閉鎖の理由として、仕事量の減少により欠損が続き、将来改善の見込みがないこと等をあげているが、仕事の減少による欠損は会社が親会社の説得に努力すれば難なく避け得られた性質のものであり、むしろ経営努力の欠除により自ら招いた結果であるというべきであって、一方、会社が分会結成直後の組合を嫌悪し、その壊滅を策した諸事情からみて、営業所閉鎖・全組合員解雇は、不当労働行為である。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集54集405頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]