労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  鳥取市農協 
事件番号  鳥取地労委昭和48年(不)第1号 
申立人  鳥取市農業協同組合職員労働組合 
被申立人  鳥取市農業協同組合 
命令年月日  昭和49年 7月10日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  農協が、調査役に任命した組合員に、組合脱退届に署名押印するよう求めた事件で、組合からの脱退強要の禁止、陳謝文の手交を命じ、ポスト・ノーティスおよび新聞紙への掲載の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人鳥取市農業協同組合は、昭和48年3月5日付で調査役に任命した組合員に対して、労働組合を脱退する旨の書面に署名押印を求めるなどして、労働組合の脱退を強要してはならない。
2 被申立人鳥取市農業協同組合は、申立人に対し、下記の陳謝文をこの命令書交付の日から7日以内に手交しなければならない。
              陳 謝 文
 昭和48年3月5日付で任命した調査役X1ほか8名に対し、貴労働組合を脱退する旨の書面に署名押印を求めるなどして、貴組合からの脱退を強要したことは、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であったことを認め、ここに陳謝するとともに、今後かかる行為を繰り返さないことを、鳥取県地方労働委員会の命令により誓約します。
  昭和 年 月 日
          鳥取市農業協同組合
            組合長理事 Y1
   鳥取市農業協同組合職員労働組合
       執行委員長 X2 殿
3 申立人のその余の申し立ては棄却する。 
判定の要旨  2610 職制上の地位にある者の言動
2623 脱退届け作成・提出強要
調査役に任命した組合員に対し、組合脱退届に署名押印を求めたことについて、使用者は、チェックオフのために組合員と非組合員との区別を明確にするためであり、また、調査役は非組合員になるとの慣行にしたがったものと主張するが、従来組合員の変動については組合から担当職員に伝えるだけであったこと、調査役は使用者の利益代表者とは認められないことからみて、支配介入行為と認められる。

3800 行為の結果・その他
調査役になっても職務内容に従来と変ったところはなく、労働者の解雇、昇進等に直接の権限をもち使用者の労働関係の機密に接する監督的地位にあるとはいえないことから考えて、本件調査役が労組法2条但書1号の使用者の利益代表者であるとはいい難い。

業種・規模  金融業、保険業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集54集74頁 
評釈等情報  労働判例 昭和49年11月1日  208号 46頁 

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