概要情報
事件名 |
東京焼結金属 |
事件番号 |
埼玉地労委昭和49年(不)第1号
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申立人 |
総評全国金属労働組合東京焼結金属支部 |
申立人 |
総評全国金属労働組合埼玉地方本部 |
被申立人 |
東京焼結金属 株式会社 |
命令年月日 |
昭和49年 7月 8日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
時短交渉において、会社提案に固執するとともにその内容を就業規則改正により一方的に改正実施し、その間組合役員の態度を非難する文書を出したり、改正就業規則に従わない者には制裁措置をとる旨言明した事件で誠意ある団交の応諾、組合運営に対する支配介入の禁止を命じ、改正就業規則を実施してはならない旨の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人らの被申立人に対する昭和48年3月15日付け要求書及び昭和49年3月11日付け要求書記載の各労働時間短縮、休日、休暇の改定に関する要求(重複部分については後者の要求)につき、速やかに申立人らと誠意ある団体交渉を行なわなければならない。 2 被申立人は、申立人支部の組合員に対し、昭和48年10月16日付け「休日増に関する会社提案」及び新旧就業規則のいずれに服するかについて、それぞれ個別的意見を求めるなどの方法により、組合の運営に支配介入してはならない。 |
判定の要旨 |
2244 特定条件の固執
組合との協議に臨む会社の態度は、組合が会社提案を承認すれば協議を開始するとか会社提案は妥当なもので最終案として妥協の余地がないとかを終始主張するのみであり、また一方において、交渉における組合役員の態度を非難する文書を従業員に掲示し、管理職をして各組合員に会社提案に賛成するよう慫慂させた会社の態度は、不誠実な交渉に該当するものである。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
時短に関する組合要求と会社提案とが対立関係にあるとき、組合役員の態度を非難する文書を出し、さらに組合員を呼び出して、管理職をして会社提案に賛成するよう慫慂することは、会社の言論の自由を逸脱した行為であって、正当な組合の運営に対する支配介入行為である。
2901 組合無視
労働条件は労使が対等の立場で決定するとの慣行に反し、組合の強い反対にも拘らず、内容について十分な討議を行うことなく、就業規則を改正し、改正就業規則どおり就労しなければ制裁措置をとることを組合に通告した上で一方的に新労働時間を実施し、さらに各組合員について改正規則に基づく就労の意思の有無を確認しようとしたことは、支配介入行為である。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集54集54頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和49年10月20日 860号(25巻27号) 19頁 
労働判例 昭和49年10月1日 206号 37 46頁 
労働法律旬報 石野隆春 永瀬精一 1974年12月10日 870号 63頁 
労働法律旬報 1974年12月10日 870号 68頁 
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