概要情報
事件名 |
西岡貞 |
事件番号 |
大阪地労委昭和48年(不)第53号
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申立人 |
総評全国一般大阪地方連合会西岡貞労働組合 |
被申立人 |
西岡貞 株式会社 |
命令年月日 |
昭和49年 4月20日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
一時金につき別組合と差別支給したこと、昇給等の算出基礎に臨時昇給額を含めなかったことが争われた事件で、差別支給、ポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、理由中の表に記載の申立人組合員に対して、昭和47年冬期一時金について、基準給の0.02ヵ月分を追加して支給しなければなければならない。 ただし、被申立人は、被申立人の昭和46年9月6日づけ賃上げ回答に基づき、かつ昭和47年4月19日の大阪地方裁判所の仮処分決定に示された金額を下回らないよう昭和46年臨時昇給における職能給および基本給の金額を決定し、上記基準給は、この決定によって算出される昭和46年臨時昇給額を含んだものとすること。 2 被申立人は、理由中の表に記載の申立人組合員に対して、昭和48年2月昇給について、昇給金額の算出の基礎となる職能給は上記1の但し書によって決定される職能給金額を含んだものとするとともに、すでに支払った金額との差額を支払わなければならない。 3 被申立人は、理由中の表に記載の申立人組合員に対して、昭和48年夏期一時金について、金額算出の基礎となる基準給は上記2によって算出される昭和48年2月昇給の金額を含んだものとし、すでに支払った金額との差額を支払わなければならない。 4 被申立人は、縦1メートル、横2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社食堂の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 申立人組合代表者あて 被申立人会社代表者名 当社は、昭和47年冬期一時金、昭和48年2月昇給および同年夏期一時金の支給に関して、貴組合の弱体化をはかるため貴組合員に対し不利益な取扱いをしました。このような行為は労働組合法第7条第1号および第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 以上、大阪府地方労働委員会の命令によって掲示します。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
2900 非組合員の優遇
会社が、一時金につき、別組合にのみ0.02ヵ月分を上積みし、組合に対しては上積みを拒否したことは、その合理的理由が明らかにされていないことからみて、組合員と別組合員とを差別し、もって組合の弱体化を企図した不当労働行為といわざるを得ない。
1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
昇給、一時金の算定基礎となる基準給等は、組合との合意がない限り当然に臨時昇給実施後のものでなければならないにもかかわらず、組合員の基準給等のみを臨時昇給実施前の額とした行為は、組合との間にそのような合意が認められない以上、不当労働行為といわざるを得ない。
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業種・規模 |
衣服・その他の繊維製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集53集292頁 |
評釈等情報 |
 
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