概要情報
事件名 |
近江育英会 |
事件番号 |
滋賀地労委昭和48年(不)第3号
滋賀地労委昭和48年(不)第4号
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申立人 |
近江高等学校職員組合 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
学校法人 近江育英会 |
命令年月日 |
昭和49年 3月22日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
組合大会で活溌な発言を行なった1年契約の講師が学校長から再任拒否の通告を受けた事件で、再任拒否通告の取消し、原職復帰、バック・ペイを命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、昭和48年3月30日付けのX1に対する再任拒否の通告を取消し、原職に復帰させるとともに、昭和48年4月1日以降、原職に復帰するまでの間に、同人が受けるはずであった賃金相当額を支払わねばならない。 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
従来1年契約の講師は自己退職以外はすべて再任されていること、X1の年齢健康等にも特に問題はないこと、X1の発言について理事長、校長がこれを嫌悪する言動を示していること等が認められ、他方、組合大会でのX1の発言は、組合員の労働条件の維持をはかることを目的とした正当な組合活動としての発言であることを考え合わせると、本件再任拒否は、正当な組合活動を理由とする不利益取扱いである。
3410 職制上の地位にある者の言動
本件の行為が校長の独断であったとしても、校長は学校管理者の地位にあり、しかも学校法人の理事であったのであるから、その責任は被申立人において負うべきである。
3800 行為の結果・その他
従来、理事長や校長が、組合を嫌悪したような事実はなかったとしても、被処分者が役員になったこともなく、従来活発な組合活動をしたこともなかったとしても、本件不当労働行為の成立を妨げるものでない。
4810 労組法7条2号(個人申立)の場合
被申立人は、組合が法外組合であるとして当事者適格を争うが、委員会は組合から提出された証拠および組合の実体を審査した結果、労組法の規定に適合する旨決定したので、被申立人の主張は容認できない。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集53集199頁 |
評釈等情報 |
 
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